屋根修理

瓦屋根の葺き替え費用は総額いくら?坪数別の費用相場と内訳・安く抑えるコツを解説

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一生に一度ともいえる大きな出費を前に、このような不安や疑問を抱えていませんか。

結論から言うと、一般的な30坪の住宅における瓦屋根の葺き替え費用は、総額120万円〜180万円が相場です。

この費用は、安全な工事に必須の足場代、古い瓦の処分費、新しい屋根材の材料費、そして職人の工事費など、様々な項目の合計によって決まります。そのため、見積書の内訳を正しく理解し、ご自宅の状況と照らし合わせることが非常に重要です。

この記事では、屋根修理の専門家として、瓦屋根の葺き替えに関する費用の全てを徹底解説します。坪数別の具体的な費用相場から、見積書の詳細な内訳、さらには費用を賢く抑える方法まで、あなたの疑問や不安をこの記事一つで解消します。

この記事を最後まで読めば、瓦屋根葺き替え費用の適正価格がわかり、悪徳業者による高額請求や手抜き工事といった最悪の事態を確実に回避できます。そして、今後30年以上安心して暮らせる頑丈な屋根を手に入れるための、最適な一歩を踏み出せるようになります。

この記事でわかること

  • 坪数別(30坪、40坪、50坪)の瓦屋根葺き替え費用の総額相場
  • 足場代や材料費など、見積書に記載される詳細な費用の内訳と単価
  • ガルバリウム鋼板など、他の屋根材に葺き替えた場合の費用と特徴の比較
  • 国や自治体の補助金や火災保険を使って費用を劇的に安く抑える具体的な方法
  • そもそも葺き替えが必要か判断するための劣化サインと、カバー工法との違い
  • 契約前に必ずチェック!信頼できる優良業者と悪徳業者を見分けるためのポイント

瓦屋根の葺き替え費用相場は120〜250万円!総額と坪数別の目安

瓦屋根の葺き替えにかかる費用は、一般的な戸建て住宅(30坪程度)の場合、総額で120万円から250万円が目安です。この金額には、新しい屋根材の費用だけでなく、足場の設置、古い瓦の撤去・処分、下地の補修、防水シートの施工、そして工事の人件費まで、必要なすべての費用が含まれています。

高額な工事だからこそ、まずはお住まいの広さに応じた費用相修場を知ることが、損をしないための第一歩です。

【坪数別】瓦屋根葺き替えの費用相場

住宅の坪数 葺き替え費用の総額目安
30坪(約100㎡) 120万円~180万円
40坪(約132㎡) 150万円~220万円
50坪(約165㎡) 180万円~250万円

この記事では、あなたの家の坪数に応じたより詳しい費用相場や、同じ坪数でも費用が変わる理由について、専門家の視点から分かりやすく解説していきます。

この記事でわかること

  • 【30坪】の瓦屋根葺き替え費用相場は120万円から180万円
  • 【40坪】の瓦屋根葺き替え費用相場は150万円から220万円
  • 【50坪】の瓦屋根葺き替え費用相場は180万円から250万円
  • 注意!同じ坪数でも屋根の形状や勾配で費用は変動します

【30坪】の瓦屋根葺き替え費用相場は120万円から180万円

もしあなたのお家が30坪(約100平方メートル)なら、瓦屋根の葺き替え費用は120万円から180万円が相場です。この価格差は、主に新しく選ぶ屋根材の種類によって生まれます。30坪の屋根面積は約50〜60平方メートルとなり、この広さに必要な材料費や工事費を基に計算されています。

例えば、一般的な2階建てのお家で、新しい屋根材に比較的安価なガルバリウム鋼板を選んだ場合は120万円に近くなります。一方で、伝統的な日本瓦など高価な材料を選ぶと180万円に近づく傾向があります。

30坪の費用内訳の目安

  • 足場代: 約15万円~25万円
  • 既存瓦の撤去・処分費: 約10万円~20万円
  • 新規屋根材費: 約40万円~70万円
  • 工事費(人件費など): 約40万円~50万円

見積もりを取った際は、これらの内訳項目がきちんと記載されているかを確認しましょう。また、屋根の傷みが激しい場合は、下地を直すための追加費用が発生することもあるため、注意が必要です。

【40坪】の瓦屋根葺き替え費用相場は150万円から220万円

40坪(約132平方メートル)のお家の場合、瓦屋根の葺き替え費用は150万円から220万円が相場となります。30坪の住宅と比べて屋根が広くなる(約65〜80平方メートル)ため、その分、必要な材料が増え、工事にかかる日数も長くなることが価格上昇の主な理由です。

少し大きめの2階建て住宅をイメージすると分かりやすいでしょう。費用を抑えられるガルバリウム鋼板を選べば150万円台から可能ですが、デザイン性や耐久性に優れた瓦を選ぶと200万円を超えてくることもあります。屋根が広くなった分、材料費は約50万円から90万円、工事費も約50万円から60万円へと上がるのが一般的です。

おおよその費用は「お家の坪数 × 4万〜6万円」で簡易的に計算できますが、これはあくまで概算です。正確な金額を知るためには、必ず専門業者からの見積もりで確認してください。

【50坪】の瓦屋根葺き替え費用相場は180万円から250万円

50坪(約165平方メートル)の大きなお家になると、瓦屋根の葺き替え費用は180万円から250万円、場合によってはそれ以上になることもあります。屋根の面積が非常に広く(約80〜100平方メートル)なるため、使用する材料の量も工事にかかる時間も大幅に増えることが理由です。

二世帯住宅や大きな平屋建てなどがこのケースに該当します。もし屋根の下地まで傷んでいて大規模な補修が必要になれば、総額で250万円を超えることも珍しくありません。逆に、屋根の形がシンプルで下地の状態が良ければ、200万円以内に収まる可能性もあります。

この規模の工事では業者ごとの見積もり金額の差も大きくなりやすいため、複数の信頼できる業者から見積もりを取って比較することが非常に重要です。また、自治体の補助金や火災保険の適用をしっかり調べることで、自己負担を大きく減らせる可能性もあります。

注意!同じ坪数でも屋根の形状や勾配で費用は変動します

実は、お家の坪数が同じでも、屋根の形や傾き(勾配)が違うだけで、葺き替え費用が数十万円も変わることがあります。屋根の形が複雑だと、カットする材料が増え工事の手間がかかります。また、屋根の傾きが急だと作業の危険性が増すため、特別な足場が必要になり、その分の費用が上乗せされるからです。

費用が変動する主な要因

  • 屋根の形状: 本を半分開いたようなシンプルな「切妻(きりづま)屋根」に比べ、四方に屋根面がある複雑な「寄棟(よせむね)屋根」は、屋根面積が1.1倍から1.2倍ほど広くなり、費用が高くなります。
  • 屋根の勾配(傾き): 傾きが急な屋根(6寸勾配以上)では、作業員が安全に作業するための「屋根足場」が別途必要になり、これだけで5万円から15万円ほどの追加費用がかかる場合があります。

見積書を確認する際は、「寄棟屋根割り増し」や「急勾配作業費」といった項目がないかチェックしましょう。ご自宅の屋根がシンプルな形なら相場通りに、複雑な形なら相場より高くなる可能性があることを知っておくと、業者からの説明も理解しやすくなります。

瓦屋根の葺き替え費用の詳細な内訳を解説!見積書の適正価格はここで判断

瓦屋根の葺き替え費用は、大きく分けて6つの項目の合計金額で決まります。それぞれの項目にかかる費用の意味と相場を理解することで、業者から提示された見積書が適正な価格なのかをご自身で判断できるようになります。

例えば「工事一式」としか書かれていない大雑把な見積書は注意が必要です。信頼できる業者の見積書には、これから解説する項目が細かく記載されています。仮に30坪の家で総額150万円の見積もりが出たとして、その内訳が妥当かを一つひとつチェックしていくことが、高額な工事で損をしないための第一歩です。

見積書で確認すべき費用の内訳

  • 安全な工事に必須の「足場設置費用」
  • 古い屋根材を運び出す「既存瓦の撤去・処分費用」
  • 屋根の寿命を左右する「下地工事費用」
  • 選ぶ材料で総額が変わる「新規屋根材の費用」
  • 屋根の端や谷を守る「役物・板金工事費用」
  • 職人の技術料と現場管理の「工事費と諸経費」

これらの詳細を、一つずつ見ていきましょう。

①足場設置費用:安全な工事に必須の項目

足場設置費用は、安全で質の高い工事を行うために絶対に削ることができない大切な費用です。職人さんの安全を守り、安定した作業環境を確保することで工事の品質を高めるだけでなく、部材の落下や塗料の飛散を防いでご近所トラブルを回避する重要な役割も果たしています。

この章では、足場費用の内訳と相場について詳しく解説します。

  • 足場の単価相場と自宅での計算方法
  • 飛散防止ネットや養生シートの役割
  • 隣家との距離が費用に与える影響

足場費用の単価相場は1平方メートルあたり700円から1200円

足場を設置する費用の単価相場は、1平方メートルあたり700円から1,200円が一般的な目安です。この単価に、足場を組む全体の面積(足場架面積)を掛け合わせることで、足場にかかるおおよその費用を計算できます。

例えば、30坪(建坪約100平方メートル)の一般的な2階建て住宅の場合、足場架面積はだいたい150〜200平方メートルほどになります。単価を900円とすると、180平方メートル × 900円 = 16万2,000円が足場費用の目安です。もし見積もりの単価がこの相場から大きく外れる場合は、その理由を業者にきちんと確認することが大切です。

自宅でできる足場費用の概算

  • 足場架面積の計算式: (家の外周の長さ+8m)×家の高さ
  • 費用の計算式: 足場架面積 × 単価(700円~1,200円/平方メートル)

住宅規模別の足場費用目安

住宅の広さ 足場架面積の目安 費用相場
30坪(約100平方メートル) 150~200平方メートル 15万円~20万円
40坪(約132平方メートル) 200~250平方メートル 18万円~25万円
50坪(約165平方メートル) 250~300平方メートル 22万円~30万円

飛散防止ネットや養生シートの費用も含まれる

通常、見積書の足場費用には、工事現場の周りを覆う「飛散防止ネット」や、建物を保護する「養生シート」の費用も含まれています。これらは、工事中に出るホコリや古い屋根材の破片などが周りに飛び散るのを防ぎ、お客様の大切なご自宅を保護するために不可欠なものです。

飛散防止ネットは、足場の外側全体を覆うメッシュ状のシートで、強風でも解体した瓦の欠片などが飛散するのを防ぎます。一方、養生シートは、玄関ドアや窓、近くの植木や車などを傷や汚れから守るために使います。これらの費用は「足場設置一式」としてまとめて記載されることがほとんどですが、不安な場合は作業前に業者へ確認しておくと安心です。

隣家との距離が近い場合は割高になる可能性あり

お隣の家との隙間が狭いなど、敷地に余裕がない場合は、足場の設置費用が相場よりも高くなることがあります。これは、一般的な幅の足場を組むスペースが足りず、特別な部材を使ったり、組み立てに普段より手間がかかったりするためです。

例えば、住宅密集地でお隣との隙間が70cmしかない場合、一般的な足場(幅約1m)は設置できません。その際は、より幅の狭い特殊な足場を使ったり、お隣の敷地を一時的にお借りしたりする必要が出てきます。そのため、通常よりも作業が複雑になり、追加費用が発生することがあります。業者が最初の現地調査の際に、敷地の状況をしっかり確認しているかが重要なポイントになります。

②既存瓦の撤去・処分費用:古い屋根材を運び出すコスト

葺き替え工事では、今ある古い瓦を屋根から降ろして運び出し、法律に沿って正しく処分するための費用が必ずかかります。撤去された古い瓦や下地材は「産業廃棄物」に分類され、専門の処理施設で適切に処分することが法律で厳しく定められているからです。

万が一、不法投棄が行われた場合、工事を依頼したお客様自身も責任を問われる可能性があります。信頼できる業者は必ず、適正な処分費用を見積もりに計上します。

この章では、撤去・処分費用の詳細を解説します。

  • 瓦の撤去費用の相場
  • アスベストが含まれる場合の注意点
  • 見積書で確認すべきポイント

瓦の撤去費用の相場は1平方メートルあたり1500円から3000円

瓦を撤去して処分するまでにかかる費用の相場は、屋根の面積1平方メートルあたり1,500円から3,000円くらいが目安です。この金額には、職人が瓦を剥がして地上に降ろす手間賃と、それをトラックで処分場まで運ぶ料金のすべてが含まれています。

例えば、屋根の面積が80平方メートルのご自宅の場合、撤去・処分費用は80平方メートル × 2,000円 = 16万円、といった形で計算されます。瓦は他の屋根材に比べて非常に重いため、処分費用も高くなる傾向があります。もし見積もり単価が相場より極端に安い場合は、不法投棄など不適切な処理のリスクがないか、注意深く確認する必要があります。

住宅規模別の瓦撤去・処分費用目安

住宅の広さ 屋根面積の目安 費用相場
30坪(約100平方メートル) 60~80平方メートル 9万円~24万円
40坪(約132平方メートル) 80~100平方メートル 12万円~30万円
50坪(約165平方メートル) 100~120平方メートル 15万円~36万円

アスベスト含有スレートの場合は処分費が高額に

もし葺き替え前の屋根材が、健康被害が指摘されているアスベスト(石綿)を含んだスレート屋根だった場合、処分費用は通常よりも大幅に高くなります。一般的に2004年より前に建てられた家のスレート屋根には、アスベストが含まれている可能性があります。

アスベストは、その粉じんを吸い込むと深刻な健康被害を引き起こす恐れがあるため、法律で定められた特別な方法で撤去・処分することが厳しく義務付けられています。専門の資格を持つ作業員による厳重な対応が必要になるため、通常の廃材処分費に加えて、1平方メートルあたり2,000円から8,500円ほどの追加費用がかかるのが一般的です。

産業廃棄物として適正な処理費用が含まれているか確認

見積書を受け取ったら、「産業廃棄物処理費用」が適正な金額でしっかりと記載されているか、必ずご自身の目で確認することがとても重要です。この費用を不自然に安くしたり、見積もりから抜いたりしている業者は、コストを浮かせるために不法投棄を行っている悪徳業者である可能性が高いからです。

万が一、依頼した業者が不法投棄をしてしまうと、工事を依頼したお客様にも責任が及ぶ可能性があります。見積書に「廃材処分費」や「産廃処理運搬費」といった項目がきちんと書かれ、その金額が相場から大きく外れていないかを確認することが、ご自身の身をトラブルから守ることに繋がります。

③下地工事費用:屋根の寿命を左右する重要部分

下地工事は、普段は見えない部分ですが、お家の屋根がこの先何十年も持つかどうかを決める、最も大切な工事です。どんなに高価な屋根材を上から葺いても、その下で屋根を支える野地板や、雨水の侵入を最終的に防ぐ防水シートが傷んでいては、雨漏りを根本的に解決できません。

葺き替え工事は、この普段は見ることができない下地を新しくできる唯一のチャンスです。ここでしっかり直しておくことが、これから先の長い安心につながります。

この章では、屋根の寿命を左右する下地工事について掘り下げます。

  • 野地板の工事方法と費用相場
  • 雨漏りを防ぐ防水シートの種類と価格
  • 下地の劣化を見逃してはいけない理由

野地板の張り替え・増し張り費用の相場と工事内容

屋根材の下にある野地板の工事には、今の板の上に新しい板を重ねる「増し張り」と、古い板を剥がして新しくする「張り替え」の2つの方法があります。傷みが比較的軽く、下地がしっかりしている場合は、費用を抑えられる「増し張り」で対応できますが、雨水などで腐っている場合は、その部分を完全に取り除く「張り替え」が必要です。

工法別の費用相場(1平方メートルあたり)

  • 増し張り: 2,000円~4,000円程度。既存の野地板の上に新しい合板を張る工法で、撤去費用がかからないため安価です。
  • 張り替え: 3,000円~6,000円程度。古い野地板をすべて剥がして交換する工法で、下地を根本から新しくできます。

どちらの工法になるかは、瓦を剥がした後の現場の状況を見て最終的に判断されることが多くなります。

防水シート(ルーフィング)の種類と価格の違い

雨漏りを防ぐ要である防水シート(ルーフィング)にはいくつか種類があり、どの製品を選ぶかによって、耐久年数と価格が変わってきます。屋根材で防ぎきれなかった雨水を食い止める最後の砦であり、製品ごとに性能が大きく異なります。

主な防水シートの種類と特徴

種類 耐用年数(目安) 費用相場(1平方メートルあたり) 特徴
アスファルトルーフィング 10年~20年 500円~800円 標準的に使われる安価なシート
改質アスファルトルーフィング 20年~30年以上 700円~1,500円 耐久性や柔軟性を高めた現在の主流

ここで大切なのは、新しく葺く屋根材の寿命と、防水シートの寿命のバランスを考えることです。30年以上持つ屋根材を葺くのに、10年でダメになる防水シートを使っては、将来的に追加工事が必要になり非常にもったいないです。

雨漏りを防ぐ要!下地の劣化は見逃せない重要ポイント

葺き替え工事の費用を考える上で、下地工事の費用を安易に削るという判断は、絶対に避けるべきです。目先の数万円をケチったことが原因で、数年後に大規模な雨漏りが起こり、結果的に何十万円もの追加の修理費用がかかってしまうという、最悪の事態を招きかねません。

葺き替え工事は、お家の屋根の健康診断のようなものです。ここで見つかった悪いところは、将来の大きな病気を防ぐためだと思って、費用がかかっても根本的に治療しておくことが、長い目で見ると最も賢明な判断と言えます。信頼できる業者は、剥がした後の下地の状態を必ず写真に撮って、お客様に分かりやすく説明してくれます。

④新規屋根材の費用:選ぶ材料で総額が大きく変わる

葺き替えでどの屋根材を新しく選ぶかによって、工事全体の総額は50万円以上、場合によっては100万円近く変わることもあります。屋根材は、製品そのものの価格(材料費)が種類によって大きく異なるうえに、施工の手間(工事費)にも差があるためです。

例えば、30坪(屋根面積約100平方メートル)の家で、人気の「ガルバリウム鋼板」と伝統的な「陶器瓦」を比較すると、屋根材の費用だけでも20万円以上の差が生まれる可能性があります。どの屋根材を選ぶかは、ご予算を左右する最も大きな選択肢の一つになります。

主要な屋根材の費用と特徴

屋根材の種類 費用相場(1平方メートルあたり) 耐用年数(目安) 特徴
ガルバリウム鋼板 6,000円~10,000円 25年~40年 軽量で耐震性が高い。サビにくく、デザインも豊富。
スレート 5,000円~8,000円 20年~30年 多くの住宅で採用。比較的安価だが、定期的な塗装が必要。
アスファルトシングル 6,000円~9,000円 30年~50年 柔軟性が高く複雑な屋根形状に対応。防水性が高い。
陶器瓦(和瓦・洋瓦) 8,000円~15,000円 50年以上 耐久性が非常に高く、塗装メンテナンス不要。重い。

⑤役物・板金工事費用:屋根の端や谷部分の専門工事

屋根のてっぺんや端っこ、壁との接合部などには、「役物(やくもの)」と呼ばれる特殊な部材を取り付けるための専門的な工事費用が必要です。これらの部分は雨水が集中しやすく、雨漏りが最も発生しやすい非常にデリケートな箇所なので、専門の職人による確実な防水処理が欠かせません。

主な役物・板金工事の箇所

  • 棟(むね)板金: 屋根の一番高い頂点部分。
  • 谷(たに)板金: 屋根の面と面が合わさる谷部分。
  • 軒先(のきさき)板金: 雨樋がつく屋根の先端部分。
  • ケラバ板金: 屋根の側面(妻側)の端部分。
  • 雨押え(あまおさえ)板金: 外壁と屋根がぶつかる部分。

これらの工事費用は、ご自宅の屋根の形がどれだけ複雑かによって大きく変わります。シンプルな三角形の屋根よりも、谷が多い複雑な形の屋根のほうが、使う部材も多く施工に手間がかかるため費用は高くなります。一般的には15万円から40万円程度が目安ですが、見積もりでは「板金工事一式」とまとめて書かれていることが多い項目です。

⑥工事費(人件費)と諸経費:職人の技術料と現場管理費

見積書には、屋根材などの材料費とは別に、職人さんの技術料である「工事費(人件費)」や、現場をスムーズに管理するための「諸経費」といった項目が含まれます。質の高い工事は腕の良い職人さんの丁寧な仕事によって支えられており、工事を安全かつ計画通りに進めるためには現場管理などの裏方の支えが必要だからです。

  • 工事費(人件費): 職人が実際に作業を行う手間賃です。屋根材の種類や工事の難易度によって変動し、1平方メートルあたり3,000円から8,000円程度が目安です。
  • 諸経費: 現場監督の人件費、交通費、トラックのガソリン代、万が一の事故に備える保険料、事務所の運営費などが含まれます。一般的には、工事費全体の5%から15%程度の金額で計上されることが多い項目です。

「工事費」や「諸経費」が極端に安い見積もりには注意が必要です。必要な保険に入っていなかったり、経験の浅い下請け業者に丸投げしていたりするリスクが考えられます。

ガルバリウム鋼板への屋根葺き替え費用は?主要な屋根材との価格と特徴を比較

瓦屋根からの葺き替えでは、どの屋根材を選ぶかが費用と将来の安心を大きく左右します。特に人気のガルバリウム鋼板をはじめ、それぞれの屋根材の費用と特徴をしっかり比べることが、後悔しないための第一歩です。屋根材によって、初期費用はもちろん、耐用年数やメンテナンスの手間、さらには地震に対する安全性まで変わってくるためです。

この記事では、ご自宅に最適な屋根材を見つけるために、代表的な選択肢の費用や特徴を比較解説します。

本記事で比較する主要な屋根材

  • ガルバリウム鋼板:軽量で耐震性が高く、近年主流となっている屋根材
  • 新しい瓦(陶器瓦・セメント瓦):重厚感があり、非常に優れた耐久性を誇る伝統的な屋根材
  • スレート(コロニアル):多くの新築住宅で採用され、初期費用を抑えられる屋根材

これらの屋根材が持つそれぞれのメリット・デメリットを、この後の章で詳しく見ていきましょう。

【比較表】瓦・ガルバリウム・スレートの葺き替え費用と特徴一覧

ご自宅にぴったりの屋根材を選ぶには、費用・耐久性・重さ・デザイン性などを一覧で見比べることが一番の近道です。それぞれの屋根材には長所と短所があり、ご家庭で何を最優先するかによって最適な選択肢は変わります。

そこで、まずは代表的な3つの屋根材について、30坪の住宅を想定した葺き替え費用の相場や特徴を以下の表にまとめました。この表を見れば、どの屋根材がご自身の希望に近いか直感的に把握できます。

主要屋根材の費用・特徴比較(30坪の住宅の場合)

屋根材の種類 葺き替え費用相場 耐用年数(目安) 重さ(瓦との比較)
ガルバリウム鋼板 90万円~160万円 25年~40年 非常に軽い(約1/10)
新しい瓦 120万円~200万円 50年以上(陶器瓦) 重い
スレート 80万円~150万円 20年~30年 軽い(約1/2)

この比較表を参考に、それぞれの屋根材の詳細な特徴を見ていきましょう。

①ガルバリウム鋼板:軽量で耐震性が高く人気の金属屋根

ガルバリウム鋼板は、屋根を軽くして地震への備えを万全にしたい方や、すっきりとした現代的な外観を好む方に最もおすすめの屋根材です。瓦と比べて圧倒的に軽く、建物への負担を大幅に軽減できます。さらに、サビに強く長持ちするため、近年の葺き替え工事で非常に高い人気を誇ります。

30坪の家をガルバリウム鋼板に葺き替える場合の費用は、おおよそ90万円から160万円が目安です。最大のメリットは、屋根の重量が瓦の約10分の1になり、建物の重心が下がることで耐震性が向上する点です。また、サビに強く、穴あき保証を25年付けているメーカーもあるほど耐久性にも優れています。

一方で、デメリットも存在します。金属製のため、製品や施工方法によっては雨音が響きやすいと感じる場合があります。また、表面に硬いものが当たると傷がつき、そこからサビが発生する可能性もゼロではありません。とはいえ、遮音材一体型の製品を選ぶ、信頼できる業者に施工を依頼するなど、対策を講じることでデメリットは十分にカバーできます。

②新しい瓦(陶器瓦・セメント瓦):重厚感と高い耐久性

これまで通りの風格ある外観を維持したい方や、将来の塗装メンテナンスの手間を省きたい方には、新しい瓦への葺き替えが最適です。特に陶器瓦は、粘土を焼き固めて作るため素材自体に色が付いており、色あせや塗り替えの心配がありません。非常に長持ちすることから、長期的に見れば経済的な選択肢と言えます。

30坪の家で新しい瓦に葺き替える費用は、120万円から200万円程度が相場です。最大のメリットは、その圧倒的な耐久性です。陶器瓦であれば、50年以上もつと言われ、塗装メンテナンスも不要です。また、瓦ならではの重厚感と美しい見た目は、他の屋根材にはない魅力です。

ただし、その重さがデメリットにもなります。瓦は他の屋根材に比べて重量があるため、建物の構造によっては耐震性の観点から注意が必要です。場合によっては、屋根だけでなく壁の補強工事も検討する必要が出てくるかもしれません。また、初期費用が他の屋根材に比べて高額になる傾向があります。

③スレート(コロニアル):初期費用を抑えたい方向け

今回の葺き替えで、とにかく初期費用をできるだけ安く抑えたいと考えるなら、スレート屋根が選択肢の一つになります。スレートはセメントを主成分とする屋根材で、材料そのものが比較的安価です。また、新築住宅で広く普及しているため、施工に慣れた職人が多く、工事全体のコストを抑えやすいという特徴があります。

30坪の家をスレートに葺き替える場合、費用は80万円から150万円程度が目安となり、他の屋根材と比べて安価に済みます。これがスレートを選ぶ最大のメリットです。

その反面、長期的な視点で見ると注意が必要です。スレートは薄い板状のため、台風時の飛来物などで割れやすいという弱点があります。さらに、表面の塗膜が劣化すると、コケやカビが発生したり、素材自体が水を吸って脆くなったりするため、約10年ごとの定期的な塗装メンテナンスが欠かせません。このメンテナンス費用が将来的に発生することを理解した上で、採用を検討することが重要です。

屋根葺き替えで使える補助金と火災保険!費用を劇的に安くする3つの方法

瓦屋根の葺き替え費用は、高額な出費だと諦める必要はありません。「補助金の活用」「火災保険の申請」「相見積もりによる業者選定」という3つの方法を賢く使うことで、負担を大幅に軽減できる可能性があります。

なぜなら、国や自治体は住宅の安全性や省エネ性能を高める工事を金銭的に支援しており、火災保険は自然災害による損害を補償する制度として存在するからです。これらを活用し、さらに複数の専門業者から見積もりを取ることで、ご自宅の工事における適正価格を把握し、賢く費用を抑えることができます。

具体的に、費用を劇的に安くするための3つの方法を見ていきましょう。

葺き替え費用を抑えるための3つのアプローチ

  1. 自治体の補助金・助成金制度を利用する
    • お住まいの市区町村が設けている「耐震改修補助金」や「省エネリフォーム助成金」などを確認しましょう。屋根の軽量化による耐震性の向上や、遮熱・断熱性能の高い屋根材への変更が対象となる場合、数十万円の費用負担を軽減できる可能性があります。
  2. 火災保険の適用を検討する
    • 台風や大雪、雹(ひょう)といった自然災害が原因で屋根が破損した場合は、火災保険の「風災・雪災・雹災補償」が使える可能性があります。「経年劣化」は対象外ですが、災害による被害だと認定されれば、修理費用が保険でカバーされることも少なくありません。
  3. 複数の優良業者から相見積もりを取る
    • 最低でも3社以上の専門業者から見積もりを取り、工事内容と金額を慎重に比較検討します。これにより、ご自宅の葺き替えにおける適正価格がわかるだけでなく、不当な高額請求を避ける最も確実な方法となります。

これらの方法を組み合わせることで、屋根の葺き替え費用は大きく変わります。まずはご自身の状況でどの方法が使えるか、情報収集から始めてみることが、賢いリフォーム計画の第一歩です。

その工事は本当に必要?瓦屋根の葺き替え時期のサインと最適な工法の選び方

高額な瓦屋根の葺き替え工事ですが、屋根の状態によっては必ずしも必須とは限りません。より費用を抑えられる最適な工法が存在する場合もあるため、まずはご自宅の屋根が出している劣化のサインを正しく見極めることが、後悔しない修理への第一歩です。

葺き替えは最も費用がかかる工事のため、もし部分的な修理やカバー工法で対応可能であれば、全体のコストを大幅に削減できる可能性があります。例えば、瓦のひび割れが数枚程度であれば部分修理、屋根の下地材が傷んでいなければカバー工法という選択肢が考えられます。葺き替えは、雨漏りがすでに発生している場合や、下地の腐食が疑われるなど、根本的な修繕が必要なケースの最終手段と捉えましょう。

まずは、葺き替えを検討すべき深刻な劣化サインを確認してください。

葺き替えを検討すべき深刻な劣化サイン

  • すでに雨漏りが発生している
  • 屋根全体に瓦の割れ、ズレ、ひび割れが広がっている
  • 屋根の下地(野地板)が腐食したり、たわんだりしている
  • 築20年以上が経過し、一度も本格的なメンテナンスをしていない
  • 漆喰が広範囲で剥がれ落ち、中の土が見えている

これらのサインが見られない場合は、他の工法で対応できるかもしれません。以下の比較表で、ご自宅の状況に合った工法を確認しましょう。

屋根の修理方法 比較表

工法 工事内容 メリット デメリット
葺き替え 既存の屋根を全て撤去し、下地から新しく作り直す 耐震性、断熱性が向上し、屋根の寿命が延びる。下地の劣化も修理できる 費用が最も高額で工期が長い。廃材が多く出る
カバー工法 既存の屋根の上に新しい屋根材を被せる 葺き替えより安価で工期が短い。廃材が少ない 下地の状態は確認不可。屋根が重くなり、屋根材の選択肢が限られる
部分修理 破損した瓦の交換や、漆喰の補修などを行う 費用が最も安く、工期が非常に短い。必要な箇所だけ直せる 根本的な解決にならない場合がある。他の部分も劣化している可能性がある

屋根の状態を正確に判断するには、専門的な知識が不可欠です。自己判断で放置すると、状態が悪化して結局は高額な葺き替え工事が必要になることもあります。まずは信頼できる専門家による診断を受け、ご自宅の屋根に最適な工法を選択することが、賢い屋根リフォームの鍵です。

屋根葺き替えで300万円は高い?高額になるケースと費用を抑えるポイント

屋根の葺き替え費用として提示された「300万円」という金額は、一般的な30坪〜40坪の住宅では高額な部類に入ります。しかし、家の状況によっては、その金額が妥当なケースも少なくありません。なぜなら、総費用は家の大きさや屋根の形状、下地の傷み具合、そして選ぶ屋根材の種類といった複数の要因によって大きく変動するためです。

この記事では、どのような場合に費用が高額になるのか、そして高額な見積もりが出た場合でも費用を適正に抑えるための具体的なポイントを解説します。

この章で解説するポイント

  • 葺き替え費用が300万円を超える主な3つの要因
  • 高額な見積もりでも諦めない!費用を適正価格に抑える交渉術
  • 「一式」見積もりに注意!詳細な内訳の提示を求める重要性

これらの情報を知ることで、提示された見積もりが適正かどうかを判断し、納得のいく屋根修理を実現するための第一歩を踏み出せます。

葺き替え費用が300万円を超える主な3つの要因

瓦屋根の葺き替え費用が一般的な相場(120万円~200万円)を大きく超え、300万円に達するような高額なケースには、主に3つの代表的な要因が存在します。屋根面積の広さや工事の難易度、見えない部分の補修工事の有無、そして選ぶ屋根材のグレードが、総額を押し上げる直接的な原因となるのです。

具体的にどのようなケースで費用が高くなるのか、以下で詳しく見ていきましょう。

費用が高額になる主な要因

  • 60坪以上の大きな家や複雑な屋根形状の場合
  • 雨漏りによる下地の腐食が激しく大規模な補修が必要な場合
  • 断熱材一体型など高機能・高価格な屋根材を選んだ場合

これらの要因を理解することで、ご自宅の見積もりがなぜその金額になったのかを把握しやすくなります。

60坪以上の大きな家や複雑な屋根形状の場合

60坪を超えるような大きな家や、複数の面が組み合わさった複雑な形状の屋根は、葺き替え費用が高額になる典型的な例です。これは、屋根の面積が広いほど必要な材料費や人件費が増え、複雑な形状は施工に多くの手間と時間がかかり、工事期間が長くなるためです。

例えば、屋根面積が広ければ、工事に不可欠な足場の規模も大きくなり、設置・解体費用が上がります。当然、屋根材やその下に敷く防水シートの使用量も比例して増加します。また、急勾配の屋根や、谷や棟が多い複雑な屋根は、安全対策を徹底する必要があるほか、部材の加工や雨仕舞いといった細部の作業に高度な技術と時間が必要です。これらの要因が積み重なり、結果として工事全体のコストを押し上げることになります。

さらに、屋根が大きければ撤去する古い瓦の量も増えるため、廃材の処分費用も高くなる一因となります。

雨漏りによる下地の腐食が激しく大規模な補修が必要な場合

長年の雨漏りを放置した結果、屋根の下地がひどく腐食している場合、葺き替え費用は想定外に跳ね上がります。これは、単に表面の屋根材を新しくするだけでなく、その下にある屋根の構造部分、つまり野地板や垂木(たるき)といった部材の交換という、追加の大規模な補修工事が必須になるからです。

屋根材を剥がしてみて初めて、下地である野地板が雨水によって黒く変色し、手で押すとブカブカと沈むような状態が発覚することがあります。この状態では新しい屋根材を乗せることができないため、腐食した野地板を全て剥がして新しく張り替える作業が必要になります。場合によっては、屋根の骨組みである垂木まで腐食が進行しており、その補強や交換も必要になるケースも少なくありません。こうした下地の大規模な補修には、数十万円単位の追加費用が発生するのが一般的です。

この下地補修を怠ると、いくら高価で高性能な屋根材に葺き替えても、数年で雨漏りが再発する根本的な原因となります。そのため、ここは決して妥協してはいけない重要な工事です。

断熱材一体型など高機能・高価格な屋根材を選んだ場合

屋根材に、夏の暑さや冬の寒さを和らげる遮熱・断熱性能が高い製品を選ぶと、材料費だけでも費用が大きく上がります。特に、断熱材一体型の金属屋根(ガルバリウム鋼板など)は、高い快適性を得られる一方で、一般的な屋根材に比べて製品自体の価格が高価に設定されているためです。

例えば、一般的なガルバリウム鋼板と比較して、裏側に断熱材が貼り付けられたタイプは、1平方メートルあたりの単価が数千円高くなります。仮に屋根面積が100平方メートルの家(約30坪)の場合、屋根材の費用だけで数十万円の差額が生じ、これが総額を300万円近くまで押し上げる大きな要因となり得ます。

もちろん、初期費用は高くなりますが、断熱性の向上によって夏場の冷房効率や冬場の暖房効率が改善され、年間の光熱費を削減できるという長期的なメリットもあります。初期投資と将来得られる効果を天秤にかけ、総合的に判断することが大切です。

高額な見積もりでも諦めない!費用を適正価格に抑える交渉術

業者から提示された見積もりが300万円と高額であっても、すぐに諦める必要はありません。建設的な交渉を行うことで、費用を適正な価格に抑えられる可能性があります。重要なのは、闇雲に「安くしてほしい」と要求するのではなく、工事の仕様や使用する部材のグレードを見直すことで、品質を維持しながらコストダウンを図るというアプローチです。

例えば、以下のような具体的な相談を業者に持ちかけてみましょう。

コストダウンのための相談例

  • 屋根材のグレード変更: 現在提案されている屋根材のグレードを一つ下のものに変更できないか確認する。
  • 代替製品の提案依頼: 特定のメーカーにこだわりがなければ、同等の性能を持つより安価な製品がないか尋ねる。
  • 相見積もりの開示: 複数の業者から相見積もりを取っていることを正直に伝え、価格の妥当性について客観的な意見を求める。

交渉の際は、感情的になるのではなく、「予算が〇〇円なのだが、この範囲で品質を落とさずに工事を収める方法はないか」というように、具体的な予算や懸念点を伝えます。業者と一緒に見積もり内容を見直し、最適な解決策を探るという協力的な姿勢で臨むことが、良い結果を生むための鍵となります。

「一式」見積もりに注意!詳細な内訳の提示を求める重要性

もし業者から受け取った見積書に「屋根葺き替え工事 一式 300万円」といった曖昧な記載しかない場合、その業者には注意が必要です。必ず、工事内容の詳細な内訳が記載された見積書の提出を求めましょう。なぜなら、何にいくらかかっているのかが不透明な「一式見積もり」は、不要な工事が含まれていたり、後から「追加工事が必要になった」などと言って料金を請求されたりするトラブルの温床になりやすいからです。

信頼できる優良業者が提出する見積書には、通常、以下のような項目が数量・単価・金額とともに明記されています。

詳細な見積書の項目例

項目名 概要
仮設足場工事費 安全な工事のための足場の設置・解体費用
既存屋根材撤去費 古い瓦などを剥がして撤去する費用
廃材処分費 撤去した古い屋根材などを処分する費用
下地補修・調整費 野地板の増し張りや補修にかかる費用
防水シート(ルーフィング)費 雨水の侵入を防ぐシートの材料費と施工費
新規屋根材費 新しい屋根材の材料費
役物工事費 棟板金など、屋根の主要部以外の部材の費用
施工費(工事費) 職人の人件費など
諸経費 現場管理費や保険料など

もし受け取った見積もりが「一式」表記であったなら、「各項目の詳細な内訳を出してください」とはっきりと要求することが重要です。詳細な見積書は、工事内容の妥当性を自分で判断し、他社の見積もりと比較検討するための、何より重要な資料となります。

30坪や50坪の屋根葺き替え費用をシミュレーション!自宅に近い価格を知る

ご自宅の坪数に近い事例を見ることで、よりリアルな瓦屋根の葺き替え費用をイメージできます。なぜなら、屋根の葺き替え費用は家の大きさだけでなく、選ぶ屋根材や現在の屋根の状態によって大きく変わるため、具体的なシミュレーションが非常に参考になるからです。

この章では、代表的な坪数である30坪と50坪の家をモデルに、具体的な費用シミュレーションをご紹介します。

この章でわかること

  • 【30坪の家】屋根材や工法別の費用シミュレーション
  • 【50坪の家】家の規模や状態別の費用シミュレーション

【30坪の家】屋根材別の葺き替え費用シミュレーション

もしご自宅が一般的な30坪の家なら、葺き替え費用は選ぶ屋根材によっておよそ80万円から150万円の範囲で変わります。屋根材そのものの価格や、工事にかかる手間が屋根材ごとに異なるため、最終的な金額に差が生まれるのです。

ここでは、具体的な3つのケースを想定して、費用の違いを詳しく見ていきましょう。

30坪の家の費用シミュレーション

  • ケース1:和瓦から軽量なガルバリウム鋼板へ葺き替える場合
  • ケース2:セメント瓦から高耐久な陶器瓦へ葺き替える場合
  • ケース3:カバー工法が可能な場合の費用比較

ケース1:和瓦から軽量なガルバリウム鋼板へ葺き替える場合

30坪の家で重い和瓦から軽いガルバリウム鋼板へ葺き替える場合、費用の目安は約90万円から140万円です。

ガルバリウム鋼板は材料費が比較的お手頃で、屋根が軽くなることで地震への安心感も高まるため、多くの方に選ばれています。

費用の内訳は、おおよそ以下のようになります。

費用内訳の例(30坪)

  • 足場代:約15万円
  • 既存の瓦の撤去・処分費:約10万円
  • ガルバリウム鋼板の材料・工事費:約60万円
  • その他諸経費(防水シートなど):約5万円

これらの項目を合計すると、総額のイメージが掴みやすくなります。

ケース2:セメント瓦から高耐久な陶器瓦へ葺き替える場合

30坪の家で、将来の塗装が不要な陶器瓦へ葺き替える場合、費用は約100万円から150万円が相場です。

陶器瓦は初期費用が少し高めですが、塗り替えの必要がなく、長い目で見るとメンテナンス費用を抑えられるという大きなメリットがあります。初期費用はガルバリウム鋼板の工事より高くなる傾向ですが、10年ごとの塗装費用がかからないため、30年以上のトータルコストで考えると経済的になることもあります。

ケース3:カバー工法が可能な場合の費用比較

もし現在の屋根の状態が良ければ、葺き替えではなくカバー工法を選ぶことで、費用を約20万円から40万円ほど抑えられる可能性があります。

これは、古い屋根を剥がして処分する工程が不要になるため、その分の費用と工期を節約できるからです。例えば、30坪の家でガルバリウム鋼板を使ったカバー工法なら、費用は約70万円から110万円が目安です。ただし、雨漏りしているなど下地が傷んでいる場合は、根本的な解決のために葺き替えが必要となり、この方法は選べません。

【50坪の家】屋根材別の葺き替え費用シミュレーション

ご自宅が50坪ほどの大きな家の場合、葺き替え費用は150万円から250万円以上と、より高額になることを見込んでおきましょう。屋根の面積が広くなるのに合わせて、必要な材料の量や作業する職人の人数、足場の規模も大きくなるため、すべての費用が増加します。

ここでは、50坪の家で考えられる3つのケースを見ていきます。

50坪の家の費用シミュレーション

  • ケース1:和瓦からガルバリウム鋼板へ葺き替える場合
  • ケース2:大規模な下地補修が必要になった場合
  • ケース3:二世帯住宅など複雑な形状の場合の費用感

ケース1:和瓦からガルバリウム鋼板へ葺き替える場合

50坪の家で和瓦からガルバリウム鋼板に葺き替える際の費用は、約160万円から220万円が目安です。30坪のケースと同様に、屋根の面積が広くなった分だけ、材料費や工事にかかる費用が順当に増えていきます。

費用内訳の例(50坪)

  • 足場代:約25万円
  • 既存の瓦の撤去・処分費:約18万円
  • ガルバリウム鋼板の材料・工事費:約100万円
  • その他諸経費(防水シートなど):約17万円

このように、家の規模が大きくなると各項目の費用が上がることがわかります。

ケース2:大規模な下地補修が必要になった場合

もし屋根の下地まで傷んでいると、通常の葺き替え費用に加えて20万円から50万円以上の追加費用がかかることも覚悟しておく必要があります。

長年の雨漏りなどで屋根の下地である「野地板」が腐ってしまった場合、それを新しく交換する大工さんの工事が別途必要になるからです。例えば、50坪の家の屋根下地をすべて張り替えるとなると、通常の葺き替え費用に下地材の費用と追加の工事費が加わり、総額が250万円を超えることも珍しくありません。

ケース3:二世帯住宅など複雑な形状の場合の費用感

同じ50坪の家でも、屋根の形が複雑な二世帯住宅などは、シンプルな形の屋根より費用が1割から3割ほど高くなる傾向があります。

屋根の面が増えたり、雨水が流れる「谷」の部分が多くなったりすると、材料の加工や取り付けに手間がかかり、工事の難易度が上がるためです。シンプルな三角屋根に比べて、いくつもの屋根が組み合わさった複雑な形状の屋根は、同じ面積でも工事費や専門部材の費用が高くなることを知っておくと、見積もりを見たときに驚かずに済みます。

絶対失敗しない!信頼できる優良業者と悪徳業者の見分け方チェックリスト

屋根の葺き替えで後悔しないためには、信頼できる優良業者と避けるべき悪徳業者を見分けるための明確なチェックポイントを知っておくことが何よりも大切です。なぜなら、屋根工事は専門性が高く、一般の方には分かりにくい部分が多いため、知識がないと不誠実な業者に高額な契約を結ばされてしまうリスクがあるからです。

例えば、優良な業者は建設業許可の提示や詳細な見積書の作成、豊富な施工実績の公開をためらいません。一方で悪徳業者は、「今すぐ契約すれば大幅割引」などと契約を急がせたり、見積書の内容が「一式」ばかりで不明瞭だったりする傾向があります。

大切な住まいを守るために、以下のチェックリストをぜひご活用ください。

信頼できる優良業者の見分け方

  • 建設業許可や必要な資格をきちんと提示してくれる
  • 見積書の内訳が「足場代」「材料費」など項目ごとに細かく記載されている
  • これまでの施工事例を写真付きで豊富に見せてくれる
  • 工事後の保証やアフターフォローについて明確な説明がある
  • 質問に対して、専門用語を使わずに分かりやすく丁寧に答えてくれる
  • 相見積もりを取ることを快く承諾してくれる

注意すべき悪徳業者の特徴

  • 「モニター価格」「キャンペーン中」などと言って、その場での契約を執拗に迫る
  • 見積書の内容が「工事一式」など、大雑把で詳細が分からない
  • 「このままでは危ない」と過度に不安を煽り、不要な工事を勧めてくる
  • 「火災保険を使えば無料で直せる」といった安易なセールストークを使う
  • 大幅な値引きを提示して、お得感を演出し判断を急がせる

業者を選ぶ際は、必ず複数の会社から相見積もりを取り、対応の丁寧さや説明の分かりやすさも比較することが重要です。充実した保証制度やアフターフォローの有無も、長期的な安心につながる大切な判断基準となります。これらのポイントを押さえ、慎重に業者選びを進めることで、高額な工事での失敗を未然に防ぎましょう。

費用以上の価値!屋根葺き替えで実現する耐震性向上と快適な暮らし

瓦屋根の葺き替えは、高額な修理費用と捉えられがちですが、実際には地震への備えや日々の暮らしを豊かにする「未来への価値ある投資」です。なぜなら、重い瓦を軽い屋根材に変えることで家の耐震性が向上し、最新の屋根材が持つ高い断熱・遮熱性能によって光熱費の削減も期待できるからです。

例えば、一般的な和瓦に比べ、近年主流のガルバリウム鋼板は約1/10の重さしかありません。屋根を軽くすることで建物の重心が下がり、地震の揺れによる家への負担が軽減され、倒壊リスクを抑えることにつながります。これは、地震の多い日本において、家族の安全を守るための非常に重要な対策と言えます。

また、遮熱機能付きの屋根材は、夏の強い太陽光を効率よく反射し、室温の上昇を抑える効果があります。結果として、2階の部屋の蒸し暑さが和らぎ、エアコンの使用頻度を減らせるため、毎月の電気代節約も期待できるのです。

葺き替え工事がもたらすメリットは、単なる修繕にとどまりません。

瓦屋根葺き替えがもたらす主なメリット

メリット 具体的な効果
耐震性の向上 屋根の軽量化で地震の揺れを軽減し、家屋の倒壊リスクを低減します。
雨漏りの根本解決 屋根の下地から一新するため、雨漏りの原因を根本から解消し、再発を防ぎます。
光熱費の削減 遮熱・断熱性能の高い屋根材を選ぶことで、夏の冷房費や冬の暖房費を節約できます。
資産価値の維持・向上 家の寿命を延ばし、美観と安全性を高めることで、将来の資産価値を維持・向上させます。
外観の刷新 色やデザインの選択肢が豊富で、住まいの印象を新しく、美しくできます。

このように、葺き替え工事は日々の暮らしを快適にするだけでなく、長期的に見てお住まいの資産価値を維持、向上させる効果も期待できます。初期費用だけでなく、将来にわたって得られる安心や快適性といった価値も踏まえて、総合的に判断することが後悔しない屋根リフォームの鍵となります。

契約前に最終確認!工事で後悔しないための見積書と契約書の重要ポイント

契約書にサインする前に、見積書と契約書に書かれた内容を隅々まで確認することが、高額な費用を払って後悔しないために絶対に不可欠です。なぜなら、「言った」「言わない」といった口約束は後々の大きなトラブルの原因になりやすく、書面に明確に記載されていない工事内容や保証は法的に守られない可能性が非常に高いからです。

例えば、見積書に「工事一式」としか書かれていない場合は注意が必要です。後から「これは含まれていない」と追加料金を請求される危険があります。あなた自身を守る盾として、契約前には必ず以下の点を確認しましょう。

契約前に必ず確認すべき重要ポイント

  • 詳細な見積もり: 「工事一式」ではなく、足場代、屋根材撤去・処分費、下地補修費、新規屋根材費、工事費など、項目ごとに単価と数量が明記されているかを確認します。
  • 使用部材の明記: 使用する屋根材や防水シート(ルーフィング)のメーカー名、製品名、型番まで具体的に記載されているかチェックしましょう。
  • 工事期間の確認: 工事の開始日と完了予定日がはっきりと書かれているかを確認します。天候による順延の可能性についても記載があるとより安心です。
  • 保証内容と期間: 雨漏り保証などについて、「何を」「何年間」保証してくれるのか、その範囲と期間が具体的に明記されているかを確認することが重要です。

また、万が一、訪問販売などで焦って契約してしまった場合に備え、クーリングオフ制度の知識も持っておきましょう。これは、契約書面を受け取った日を含めて8日以内であれば、無条件で契約を解除できる制度です。いざという時のために、この制度があることを覚えておくだけでも心の余裕が生まれます。

安易な契約は絶対に避け、書面の内容を一つひとつ丁寧に確認することが、納得のいく屋根修理を実現する最後の砦となるのです。

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