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ガルバリウム鋼板の屋根は耐久性が高く、メンテ不要とされていますが、経年劣化による色あせやサビを防ぎ、美観と機能性を維持するために、定期的な塗装が必要です。
ガルバリウム鋼板は、大きく分けて3層構造になっています。鋼板の周りをメッキ層が覆い、その表面に塗料を塗っているためです。つまり、塗装はこの表面の層を新しく塗り直し、本体ともいえるメッキ層と鋼板を保護する役割があります。
ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンス期間が10~15年とされているのも、この塗料の劣化が要因です。
表面の塗料が劣化し、塗料が持つ防水性や撥水性、紫外線カットの効果や、耐熱性効果のある塗料であれば耐熱性など、様々な効果を持つ塗料もあります。
それ以外で、最も大きい要因としては防錆効果です。屋根材本体であるメッキ層や鋼板の表面を覆うため、物理的な遮断効果が得られるため、メッキ層本体へのダメージをカットしてくれます。
この塗膜が劣化してしまうと、ガルバリウム鋼板屋根本体の劣化に繋がるわけです。
この記事では、ガルバリウム鋼板屋根の塗装に関する情報をまとめています。塗装が必要になる目安時期やその劣化サイン、塗装をする理由なども詳しく解説っしています。
いま現在で、ガルバリウム鋼板屋根の塗装を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
ガルバリウム鋼板屋根を塗装する目安時期と劣化サイン

ガルバリウム鋼板屋根の塗装目安を図る時期やサインは以下の通りです。
- 10年~15年が経過している
- 色あせや光沢の劣化
- チョーキング現象
- 苔やカビの発生
- 塗料の剥がれや浮き
- サビの発生
以下の6つが、塗装目安となる時期とサインになります。特に最初の塗装目安時期となる10~15年は、塗料の寿命にもなる部分なので、特に意識するポイントとなります。
以下ではこれら6つのポイントを細かく解説していきます。
10年~15年が経過している
屋根問わず、どの塗料にでも言えることですが、塗装の目安時期は10~15年となっています。
これは、塗装に使われる塗料が要因で、塗料の寿命が約10~15年になっているためです。
ガルバリウム鋼板屋根にも使われる代表的な塗料ではシリコン塗料が最も一般的です。コストや耐久性などから、最もコストパフォーマンスに優れた、バランスの良い塗料として、使用されることが多いです。
こちらの耐用年数が10~15年ほどなため、屋根や外壁などのメンテ時期が10~15年と言われています。
その他に、屋根材に使用される塗料にはラジカル、フッ素などがあります。
| 塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 |
|---|---|---|
| ウレタン塗料 | 8~10年 | 柔軟性があり、密着性に優れる。コストパフォーマンスが良く、一般的に普及している。シリコンやフッ素に比べると耐久性は劣る。 |
| シリコン塗料 | 10~15年 | 最もコストと耐久性のバランスが良い人気の塗料。耐候性・耐水性・防汚性に優れる。色あせしにくく、美観を長く保てる。 |
| フッ素塗料 | 15~20年以上 | 最も耐久性に優れる高級塗料。耐候性・耐薬品性が高く、色あせやチョーキング(粉化)が起こりにくい。費用は高めだが、塗り替え回数を減らせるため、長期的に見るとコスト削減につながる場合がある。 |
| 遮熱塗料 | 10~15年(シリコン系) 15~20年以上(フッ素系) |
太陽光を反射し、屋根表面の温度上昇を抑える機能を持つ。室内の温度上昇も抑制するため、夏の冷房費節約に貢献する。シリコン系とフッ素系の両方があり、価格と耐久性が異なる。 |
| 無機塗料 | 20~25年以上 | 無機物を配合し、フッ素塗料以上の耐久性を持つ。費用は高価だが、耐久性と美観保持に優れている。ひび割れやすいという欠点もあるが、最近は柔軟性を高めた製品も増えている。 |
| ラジカル制御型塗料 | 12~15年 | 塗料の劣化を促進させる「ラジカル」の発生を抑制し、耐久性を高めた新しいタイプの塗料。シリコン塗料と同程度の価格で、より高い耐久性が期待できる。 |
色あせや光沢の劣化
ここからは、時期で見るのではなく、症状で分かる塗装の劣化具合の判断基準を解説していきます。
まずは、塗装の色あせや光沢の劣化です。ガルバリウム鋼板屋根の初期の塗装面は、光沢感が有り、色も鮮やかです。これは、下から屋根を見上げても判断できることでしょう。
劣化してくると、全体的に色が褪せ、光沢感も失われます。これは、屋根の塗装が劣化している初期段階と判断できます。
- 色あせ:元の屋根色が薄く白くなっている状態
- 光沢感の低下:屋根の艶が無くなりザラついた状態
主な原因は紫外線です。塗膜に含まれる顔料(色の元)や樹脂を分解し、色が薄くなったり、変色を起こす要因になります。
シリコン塗料が一般的に使われる塗料になるため、およそ10年ほどで色あせの症状が見られます。
できるだけ、長く色を保ちたいのであれば、再塗装時にフッ素塗料などを使うことをおすすめします。ただし、シリコンと比べるとやや値段が高くなるのがデメリットです。
1㎡あたり約1,000~2,000円ほど差が目安です。一般的な住居の屋根面積が約50㎡ほどなので、10万~20万円ほどの差が生まれます。
チョーキングの発生
また、色あせ時に、同時に発生する症状としてはチョーキング現象があげられます。
チョーキング現象とは、手で触った時に、白い粉が付着するため症状の判断としては比較的容易ですが、屋根の場合は直接触っての確認が困難です。
自身で屋根に上って直接確認するのは、非常に危険なため屋根の初期劣化の判断は、色あせや光沢の劣化で見極めるようにしましょう。
苔やカビの発生
ガルバリウム鋼板屋根の塗装が劣化してくると、苔やカビが発生することあります。
苔やカビの発生は塗膜の撥水性、防水性が低下している貴重な劣化サインです。色あせよりも、さらに段階が進んだ劣化症状と見てよいでしょう。
これを放置すると、屋根材そのものの腐食を早める原因となるため、早めの対処が必要です。
屋根は雨や雪などの影響を最も受けやすく、屋根表面の撥水性や防水性は非常に重要になります。これらの機能が劣化することで、屋根材に水が溜まり、湿気が発生してしまいます。
これが長く続くと苔やカビなどが発生し、屋根材の腐食に繋がるわけです。
苔やカビの発生は、美観を損なうだけでなく、屋根の機能自体も著しく劣化させる要因なので、発見次第、早急の対応が必要です。
対処法として主に行う工事は「屋根塗装」です。塗装による撥水性、防水性の回復が目的となります。
ただ、塗装を行うだけの工事と比べると、苔やカビの除去のために「高圧洗浄」や「バイオ洗浄」などによる入念な清掃作業が必要になるため、屋根塗装単体よりも費用が割り増しされます。
費用としては、高圧洗浄で1㎡あたり200~300円。バイオ洗浄で1㎡あたり300~400円ほどの料金が発生します。
一般的な住居の屋根面積(50㎡)で約25,000~35,000円ほど追加費用が掛かります。
塗料の剥がれや浮き
屋根の塗料が剥がれたり、浮いたりしている症状は、塗膜の防水機能が完全に破綻している重大な劣化サインとなります。
屋根材と塗膜の密着性が完全に失われ、屋根材を構成するメッキ層及び鋼板が露わになっている状態のため、このまま放置していると、屋根材の腐食、破損に繋がります。
この症状を確認したら、すぐに専門業者に依頼する必要があります。
塗装の剥がれや浮きは、塗膜の機能が完全に失われた状態を意味します。水分や熱などにより塗膜が持ちあげられることで、起こります。
屋根に小さな気泡のような膨らみや、水膨れ、ペラペラと剥がれている箇所が見られます。
保護層としての塗膜の機能を完全に失っているため、末期的な症状ともいえるので、放置せずに早めに対処しましょう。
対処法としては以下のような工事の流れとなります。
- 高圧洗浄:屋根の汚れ、剥がれた塗膜を除去
- ケレン作業:サビ、旧塗膜を完全に削り落とし、新しい塗料の密着性を上げる
- 下塗り:塗料と屋根材の密着性を高めるプライマーを塗布
- 中塗り:中間となる塗料を塗ることで塗膜に厚みを持たせ、保護機能、耐久性を向上
- 上塗り:最終仕上げの工程。美観形成
上記は一般的な屋根塗装の流れです。
特にケレン作業は、屋根材と塗料の密着性を高めるために重要な工程になります。
仮に、これを行わないで、旧塗膜の上に直接塗料を塗ろうとしても、新しい塗料がちゃんと密着せずに、保護機能の回復、耐久性の向上、美観の回復などができなくなります。
サビの発生
最後に紹介する劣化サインは「サビ」です。
ガルバリウム鋼板は、比較的サビにくい屋根材と言われていますが、それは一般的な鉄製品であるトタンなどと比べると、高耐久という意味で、サビなどは必ず発生します。
塗膜の剥がれなど、劣化による防水機能の低下が引き起こす最終段階と見てよいです。
これが起きると、サビが広がり、屋根材に穴が開き屋内にまで影響を及ぼし、雨漏りなどに繋がります。
サビの発生は、塗膜の保護機能は完全に失われ、放置されることにより起こります。特に屋根だと、普段は目につかない部分なので、気が付かないうちに発生しているケースもあり得ます。
そのため、早期のメンテナンスが欠かせません。
サビは、屋根材を保護している塗膜のさらに下の層であるメッキ層が傷つき、鋼板が雨水や酸素に触れることで発生します。
特に苔やサビなどが発生している状態だと起こりやすい症状です。
この場合の対処法としては、サビの進行度合いにもよります。
- 初期:鋼板表面に錆が発生している場合は、サビの除去→錆止めプライマー→塗装
- 末期:サビによる腐食で屋根材に穴が開いている場合は、カバー工法もしくは屋根の葺き替え
軽度のサビであれば、そのサビをヤスリなどで落として、錆止めプライマーで進行、再発生を防ぎ、塗装することができます。この場合は、一般的な屋根塗装とさほど費用に大差はありません。
しかし、サビは進行し屋根材に穴が開いたり、破損している場合には、屋根材本体の葺き替えか、新しい屋根材を上から被せるカバー工法をする必要があります。
これらの作業はおよそ150~200万以上と、塗装よりも高額になってしまいます。
築40年以上の住宅であれば、カバー工法や葺き替えなどの作業は必須になりますが、まだ築年数が若い段階での、この出費は痛いでしょう。
ですので、屋根塗装は10年~15年の早期のメンテナンスが必要になってくるわけです。
ガルバリウム鋼板屋根塗装の費用相場

ガルバリウム鋼板屋根の塗装費用の相場は、一般的な住宅(30坪)で約50万~150万円です。
この費用には、足場代や塗料などの材料費、施工費などが含まれます。
| 品目 | 費用単価 | 単位 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 仮説足場工事 | 800~1,000円 | ㎡ | 屋根上に上がるのに必須。屋根の形状に応じて変動有り |
| 飛散防止ネット張り | 100円 | ㎡ | 洗浄時の水や塗膜の飛散を防止するために足場に設置されるネット |
| 高圧洗浄 | 200~300円 | ㎡ | 塗装前にゴミやほこり、苔などを除去するために必要 |
| バイオ洗浄 | 300~400円 | ㎡ | カビの発生も含めてひどい汚れが発生している場合に必須 |
| 養生 | 30,000~50,000円 | 一式 | 塗装箇所以外の屋根や外壁への塗料を抑えるため |
| 下塗り | 500~1,000円 | ㎡ | プライマーの性能により変動有り。また、下塗りを複数行う場合もある。 |
| 中塗り | 1,000~2,000円 | ㎡ | 塗料により大きく変動する恐れあり |
| 上塗り | 1,000~2,000円 | ㎡ | 塗料により大きく変動する恐れあり |
| 下地処理 | 500~1,000円 | ㎡ | 屋根の状況によりサビ除去やケレン作業なども追加の可能性あり |
| 運搬費 | 20,000~40,000円 | 一式 | 工事に必要な各種道具や設備の運搬 |
| 産業廃棄物処理費用 | 30,000~50,000円 | 一式 | 工事に伴って排出されるごみの処理費用。お客様負担。 |
上記は、屋根塗装にかかる費用の一覧です。
屋根全体の塗装となるとおよそ100万円ほどの費用にもなるため、塗装をする際には、複数の業者から見積もりを取るなどして、適正価格を見極めるようにしましょう。
また、外壁の塗装も検討しているのであれば、屋根塗装に一緒に行うと、別々で行うよりも費用を抑えられます。
工事の度にかかる足場代などの関係もあるためです。
また、その他にカバー工法や葺き替えの費用について知りたい方は以下の記事もおすすめです。
関連記事:屋根修理のカバー工法(重ね葺き)費用を徹底解説!相場やメリット・デメリット、注意点まで|屋根修理マイスター
関連記事:屋根の葺き替え費用相場は?屋根材別・住宅規模別の目安と業者選びのポイントを徹底解説|屋根修理マイスター
ガルバリウム鋼板屋根の塗装業者の選び方!見極めのポイント
塗装をお願いするなら、より専門的な技術を持った業者に頼みたいと思う方は多いと思います。
ガルバリウム鋼板問わず、塗装は塗料の性能を最大限引き出すための「下地処理」や、「塗料の選定」などが重要になってきます。
そのため、際立って「ガルバリウム鋼板の塗装専門店!」という会社はないため、そういった点で決めることはできません。
ただ、ある程度ガルバリウム鋼板に熟練したということがわかるように、選び方をチョイスしてみました。
これから業者選びをされる方は、ぜひ参考にしてください。
会社情報の見極め方
業者を調べる際に、まず最初にインターネット検索で調べることと思います。
近隣の屋根修理業者を調べても、たくさん出てくると思います。
たくさんある中から、探すのは大変。なので、ある程度、見積もりする業者を絞り込むために以下の点を特に意識して確認してみましょう。
資格情報の確認:技術力の裏付け
ガルバリウム鋼板屋根の塗装を頼む場合は、「金属塗装」の国家資格を持つ職人さんがいる会社を選ぶと安心でしょう。
塗装には「塗装技能士」という国家資格が存在します。技能検定の合格者が取得でき、「木工塗装」「建築塗装」「金属塗装」「噴霧塗装」「鋼橋塗装」の5つの分野があります。
それぞれに等級が存在し、1球、2級などの投球があります。1級の受験資格には実務経験7年以上、2級が実務経験2年以上となっており、資格を保有していることは、塗装業に従事した経験を測る目安にもなります。
施工事例の確認:経験の裏付け
業者サイト内の施工実績のページがあれば、その会社がどれだけ多くの「ガルバリウム鋼板屋根の塗装」の実績があるかを確認しましょう。
業者のウェブサイトには、施工事例を載せているところもあります。塗装業者なので、ガルバリウム以外にも、スレート屋根や外壁などの塗装実績もあると思います。
その中で、ガルバリウム鋼板屋根の塗装の実績がどれだけあるかも比較してみましょう。数が多ければ、単純な経験も多く安心材料と言えます。
保証内容の確認:品質の裏付け
業者が行っている保証の内容が、自身が考えている工事の内容の適用範囲内かを確認しましょう。
安心なのは自社施工をリフォーム瑕疵保険などを設けている会社です。
稀に「指定の塗料を使った場合でないと保証できない」といった保証内容もあるため、注意が必要です。
相見積もりの必要性
見積もりを複数社から取る「相見積もり」は、後悔しない業者選びと適正な工事のために非常に重要です。主な理由は以下のとおりです。
- 適正価格を知るため
- 施工内容、人員を比較するため
- 悪徳業者を回避するため
適正価格を知るため
相見積もりを3社ほどとると、希望する工事のおおよその相場観を知ることができます。
1社だけでは、その費用が適正か判断するのが難しく、2社だと極端に高い安いだけの判断しかできなくなってしまいます。
3社ほど見積もりを取ることで、ある程度の平均相場が判断しやすくなります。
また、複数の見積もりを取っておくことで、価格交渉の材料にもなるため相見積もりを取るメリットは大きいです。
ただ、予算を抑えたいからといって、ひたらすら値段が安いことを求めるのは危険です。
お客様の要望に合わせて、費用を下げた結果、必要最低限の工事しかできず、納得のいく工事ができなかったということもあり得ます。
どの工事が必要か?の判断は、プロである業者に任せるようにしましょう。
施工内容、人員を比較するため
業者ごとに、提案する工法、使用する材料、職人の質、工事の範囲、アフターフォローが異なります。
相見積もりは、価格だけでなく、こうした内容を総合的に比較するために行います。
同時に、営業の方や担当した職人さんとも接することで、その会社の雰囲気なども見ることができます。
悪徳業者を回避するため
相見積もりは、悪質な業者を見抜くための有効な手段でもあります。
「今日契約すれば、割引します!」や「今だけ特別価格です!」など契約を、その場で急がせるような業者は、他社との比較を避けたがります。
他者と比較された際に、料金など大きな違いがあるのを防ぐためです。
それと関連して、見積書の内容にも注意が必要です。通常の塗装の見積書であれば「下塗り」「中塗り(もしくは中塗り、上塗り)」など、工事に使う材料の見積もりまで事細かに書かれています。
悪質な業者だと「工事一式」など、詳細な見積もり内容を書かずに提示していきます。こういった業者は要注意が必要です。
その他、悪質業者について心配な方は、ぜひ以下の記事も参考にしてください。
関連記事:屋根修理の悪徳業者を見抜く!騙されないための7つのポイントと対策|屋根修理マイスター
ガルバリウム鋼板屋根に塗装が必要な理由
一般的にメンテナンスフリーと呼ばれるガルバリウム鋼板ですが、メンテナンスは必須です。それは、ガルバリウム鋼板自体の話ではなく、鋼板を保護するための塗料の関係から定期的なメンテナスが必要になります。
ここでは、ガルバリウム鋼板屋根に塗装が必要な理由について説明していきます。
- サビの発生を防ぐため
- 防水性を維持するため
- 屋根材の寿命を延ばすため
- 美観を保つため
サビの発生を防ぐため
ガルバリウム鋼板も鉄なので、外気に晒され続けることで、サビが発生してきます。
それを抑制しているのが、塗膜になります。
ガルバリウム鋼板とは、鋼板の周りをアルミニウムと亜鉛、シリコンの合金をメッキ加工した金属板のことを指します。
亜鉛メッキ(galbanize)とアルミニウム(aluminum)を組み合わせたメッキ層を持つ鋼板であることからガルバリウムの名がつけられました。
鉄自体が特殊なわけではなく、耐久性の高いメッキ層で加工していることで、高耐久性、長寿命を手に入れたわけです。
ですが、メッキ層も経年劣化や外的要因により損傷してしまいます。それにより、中の鋼板(鉄)が腐食するわけです。
そのため、メッキ層を保護する役割として、塗膜(塗料)が塗られています。
塗膜の劣化は、メッキ層の損傷を防ぐ役割のため、この塗膜がなければ、メッキ層が傷つき、やがて鉄にまでダメージが及びサビに繋がるわけです。
防水性を維持するため
防錆の意味合いと似ていますが、塗膜により屋根材自体の防水性を高めることができます。
屋根には傾斜があるものの、撥水性がなければ雨水などが、ちゃんと流れず屋根上に水分が滞留し、湿気が発生してしまいます。
しっかりと排水するためにも、塗料による撥水性、防水性が重要になります。
屋根材の寿命を延ばすため
塗膜には防水性だけではなく、屋根材を傷などから守る保護機能もあります。
塗料は、防水性はもちろんのこと、鉄を腐食させる要因となる酸素との接触を遮断したり、紫外線のカット、温度変化による膨張・収縮の抑制、苔やカビなどから守る生物的劣化の保護など、様々な役割を担います。
屋根材本体を、あらゆる要因から保護するためにも、定期的な塗装で保護機能を保つ必要性があります。
美観を保つため
塗膜の劣化は保護機能の低下だけではなく、外観にも大きな影響を及ぼします。
色あせ、色落ち、城抜け、光沢の低下など、経年劣化により徐々に美しかった塗料の色が抜けてしまいます。
いつまでも綺麗な外観の家を保つためにも、10年サイクルでの塗装は必須です。
また、塗装のたび屋根の色を変えるだけでも、見違えたように家の印象も変わるので、家への愛着も深まることでしょう。
ガルバリウム鋼板屋根のDIY塗装は難しい
ガルバリウム鋼板屋根の塗装は一般の方では、非常に難易度が高いため、基本的に業者に任せるべき作業です。
まず、屋根上に上る必要のある作業のため、非常に危険で最悪、命を落とす可能性もあります。
はしごなどで登ること自体は可能でしょうが、足場の設置も難しくハーネスなども使えないため、非常に危険です。
他にも以下のような技術的な理由から、DIYでの作業は非常に難しくなっています。
- 徹底した下地処理
- 専用塗料の選定と知識
DIYをおすすめしない一番の理由は、高所作業によるところが大きいですが、上記のような理由からも、DIYで塗装を行うことはおすすめしていません。
費用については安くなることは間違いないのですが、ご自身で作業をするとなると、まず上手くいかないです。
上記3つの理由について、詳しく解説をしていきます。
徹底した下地処理
屋根塗装や外壁塗装などに用いる塗料を塗るには、塗る側面の下地処理が非常に重要になってきます。これを怠ると、塗料がしっかり密着せずに、短期間のうちに塗膜が剥がれたり、ひび割れを起こしてしまいます。
ペンキを使ったことがある方は多いかと思いますが、屋根や外壁などに使う塗料とペンキは異なる塗料になります。ペンキは簡単に濡れる反面、耐久性にかけ、雨風や紫外線に弱い特徴があります。
屋根塗装などに用いる塗料はペンキなどとは違い、しっかりと下地処理を行った上で、中塗り→上塗りと塗装をしなければ、ちゃんと塗膜が密着せずに綺麗に塗ることはできません。
ガルバリウム鋼板のようにメッキが加工されていると、そのまま塗料を塗ってもすぐに剥がれてしまいます。適切な下地処理(ケレン)、プライマーの選定など、専門的な知識が多く求められます。
専用塗料の選定と知識
ガルバリウム鋼板に用いる塗料は、金属用の塗料を用いなければなりません。また、フッ素やシリコンなど、塗料の分類だけでも非常に多く、さらにその中でも、各メーカーで販売している塗料には、効果も若干ながら異なります。
塗料を値段で選んでもいいですが、悪かろう安かろうな部分もあるため、塗料を選ぶだけでも、それなりに手間がかかります。







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