屋根修理

屋根劣化の7つの症状!症状ごとの緊急度を解説!

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2階から1階の屋根を見たときに、ヒビや色あせ、苔などの劣化が気になったことはありませんか? 屋根の劣化は、症状によって大きなトラブルに繋がる可能性もあります。

例えば、屋根材のズレや破損などは、防水シートや野地板と呼ばれる下地材に直接影響を及ぼすため、雨漏りなどのトラブルに直結しやすいです。逆に、色褪せや苔・カビの繁殖などは清掃や塗装などをする必要はありますが、即トラブルに繋がる可能性が低い症状です。

このように、屋根の劣化症状に応じて、その後の補修の対応などに差が出てきます。この記事では、屋根材や屋根部材ごとの劣化症状、各劣化症状に対する補修方法とその費用などを解説していきます。

この記事を監修した人

監修者

アイセンスド株式会社 代表取締役社長 高橋聡太
屋根雨漏りプロ 高橋聡太

「屋根雨漏りプロ」として、関西、関東その他地域に屋根と雨漏り修理に特化したサービスを提供。大阪市内の高等学校を卒業後、自動車整備関連の勤務を経て住宅リフォーム業界に転職。現場での経験を積んだ後に独立。雨漏り修理においては豊富な経験を持ち、雨漏りの散水試験に強みを発揮し、多くの実績を持つ。他社が一辺倒な修理方法に頼る中、徹底した原因追究とお客様のニーズに合わせた最適な修理を提案する。

屋根材の主な7つの劣化症状

屋根の劣化症状は主に7つあります。

各症状は屋根材によって異なるものもありますが、剥がれや割れ、欠けなどは共通の症状となります。前提としてですが、いずれ対処は必要です。その中でも、すぐに対応しないとまずい症状や、補修を検討すべき症状などで緊急度を設けました。

緊急度:高即補修、修理が必要
緊急度:中早めの補修、修理が必要
緊急度:小将来的な補修を検討

上記、緊急度を参考にご自宅の屋根の劣化症状がどのレベルなのかを判断してみてください。

剥がれ

剥がれとは、屋根材自体が剥がれ下地が露出している状態を指します。雨水などが直接下地に浸水しやすくなっているため、雨漏りのリスクが高まります。

経年劣化により、屋根材を固定していたビスやねじ、コーキングなどが弱くなり、強風などが原因で屋根材の剥がれが起きます。

屋根材が剥がれることで、防水シートがむき出しとなり、屋根の内部構造への雨水の浸透が早まります。これにより雨漏りが発生しやすくなり大変危険な状態のため、緊急度を”高”にしています。

屋根材が1枚だけ剥がれていようと、緊急度に差はありません。1枚でも剥がれていれば、その部分から雨水が建物内部に侵入するので、早急な対応が必要になります。

該当する屋根材アスファルトシングル、スレート、瓦屋根、金属屋根
緊急度

対応する補修方法:屋根材の部分交換

腐食による穴あき

金属屋根に見られる症状で、錆びが進行することで屋根材に穴が開きます。これにより、穴の部分から浸水し屋根の下地材が腐食、雨漏りに繋がります。

雨水などにより、素材が酸化し経年劣化で錆が発生します。この時に、防錆処理や錆取りなどをしていないと、穴あきの症状に繋がってしまいます。

屋根材の剥がれ同様、錆による穴あきは屋根の下地材にすぐ影響し、雨漏りが発生しやすい状態のため、補修の緊急度を”高”としています。穴が小さい状態であれば、応急処置も簡単なのですぐに対処はできるでしょう。

屋根材の端などであれば、直接下地に影響を及ぼすことはないので、気にする必要は無くなります。屋根の中腹

該当する屋根材金属屋根
緊急度

対応する補修方法:錆取りと防錆処理

割れ・欠け

経年劣化により耐久性が落ちた屋根材、強風や強雨などの悪天候によって割れたり欠けたりします。割れた部分から雨水が入ることで、雨漏りや建物内部の損傷に繋がるケースがあります。

割れや欠けなどの症状も、屋根材の剥がれと同様、防水シートなどの下地材への浸透が早まり、雨漏りが発生する可能性が高まります。割れや欠けの場合は、剥がれなどの重度の症状の手前の症状のため、緊急度を”高”にしています。

ただ、屋根材表面のみのヒビや割れであれば、下地に影響を及ぼさなければ対処の必要は出てきません。そのあたりの判断は業者にお願いしないと確認が難しいでしょう。

該当する屋根材アスファルトシングル、スレート屋根、瓦屋根
緊急度

対応する補修方法:再塗装コーキングの補修

浮き・反り

経年劣化や施工不良により、屋根材が浮いてきてしまい隙間ができます。その隙間から雨水が侵入することで、下地を痛める原因となります。

屋根材の浮きや反りは屋根材の剥がれや割れ、欠けに繋がる症状となるため、一歩手前の緊急度”中”としています。屋根材がまだ、下地材に影響を及ぼす手前の状況であるため、緊急度を”中”としています。

ただ、屋根材が大きく反っていたり、浮いている場合には雨水の侵入や、強風などにより屋根材が飛ばされるリスクがあります。その場合は、緊急度を”高”で判断します。

判断方法としては、ご自身で直接確かめる場合には、指で屋根材を触り、ぐらつく場合には、”中”。目視で見て、明らかに他の屋根材部分よりも、浮いている場合には”高”で判断しましょう。若干浮いている程度だと、目視ではわかりづらいです。

該当する屋根材スレート屋根、瓦屋根
緊急度

対応する補修方法:コーキングの補修屋根材の部分交換

錆び

金属が外気や雨により酸化して錆びが発生します。進行すると前述している腐食による穴あきに繋がるため、予め塗装や張替などの対応をしておくことで、劣化を早期に防ぐことができる。

錆び自体に問題はなく、劣化が進行した際に起こる屋根の穴あきが問題のため、緊急度を”中”としています。

錆びは一度発生すると、進行が早くなります。錆びが進行する前に、塗装や防錆処理などを行うことで悪化を防ぐことができるので、この段階で早めに補修を検討するのが良いでしょう。

該当する屋根材金属屋根
緊急度

対応する補修方法:錆取りと防錆処理

苔・カビの発生

屋根材表面に、緑色や黄色、茶色、白や黒の斑点が浮かびあがってきたら、苔やカビが繁殖し始めている証拠です。湿度が極端に高い地域や、時間経過で徐々に苔やカビなどが発生します。

苔やカビなどの発生は美観低下につながる面が主で、機能的な問題に繋がることは薄いため、緊急度を”低”としています。

ただ、苔やカビが発生するのは10年以上が経過している屋根に多く見られるため、苔などの発生が見られたら、他に劣化の症状が出ていないかを確認するタイミングにもなります。

余裕を見て、点検などを検討してみましょう。

該当する屋根材瓦屋根、スレート、アスファルトシングル
緊急度

対応する補修方法:清掃

色褪せ

屋根の色褪せは、屋根材表面の色が薄くなったり、白っぽくなったりしてる状態を指します。目視でも確認がしやすく、屋根材の1部分、1方向の屋根のみに起こるなど、環境によって発生箇所は異なります。

屋根材の摩耗や、紫外線、雨風などが原因で塗膜の経年劣化が進むことで起こる症状です。

色褪せは屋根の機能性などに直接影響を与えることが少ないため、緊急度を”低”としています。色褪せも、屋根が劣化し始める兆候サインなので、色褪せが見られたら一度点検を行うことをおすすめします。

該当する屋根材瓦屋根、スレート屋根、金属屋根、アスファルトシングル屋根
緊急度

対応する補修方法:再塗装

【屋根部材別】劣化症状の解説

屋根は屋根材だけでなく、雨樋や軒天、破風板など様々な部材で構成されています。これらも、部材にも経年劣化は起こり、やがて雨漏りなどのトラブルにもつながります。

屋根部材にも様々な種類があり、全部で約8つ存在します。

  1. 雨樋
  2. 軒天
  3. 鼻隠し
  4. 破風板
  5. 棟板金
  6. 谷板
  7. 漆喰
  8. 天窓

ここから、屋根部材別に劣化症状を解説していきます。

雨樋

雨樋は屋根から流れる雨水を排水するための装置です。屋根部材の中でも劣化症状が確認しやすく、また症状が出やすい箇所でもあります。雨水が流れこむ構造上、一緒にゴミや落ち葉などが雨樋に詰まり、排水不良に陥ったり、溜まったゴミなどが原因で変形、破損を引き起こします。

  • 変形
  • 穴あき
  • 割れ・欠け
  • 詰まり
  • 錆び

変形

緊急度

長期間、雨樋に葉やゴミなどが溜まり続けていたり、雪や風などの天候の影響で雨樋本体の形状が歪んでいる状態を指します。こうなったら、雨樋の交換は絶対に必要になってくるので、緊急度を”高”に設定しています。

割れ・欠け

緊急度中~高

雨樋本体が割れたり、ヒビが入っている状態です。この状態では、雨樋に流れる雨水が適切に排水されずに、途中で漏れることで、外壁や基礎部分に浸水しやすくなってしまいます。雨樋にはプラスチック製のものが多いため、よく見られる症状になります。

外壁や基礎部分に浸水することで、カビの発生や建物内部の腐食を引き起こしやすくなります。特に外壁に集中的に流れることで、湿気が増したりカビを引き起こしやすくなり、劣化が早まります。

割れや欠けの度合いによって、緊急度は中~高としており、大きな割れや、水漏れが起きていなければ緊急度は”中”となります。大規模や割れなどが発生してしまうと、雨樋としての機能はほとんどないため、緊急度は”高”で、即修理が必要になってきます。

目詰まり

緊急度

風などで流れてきた葉やゴミなどが、雨樋に溜まり目詰まりを起こします。目詰まりは、雨水が適切に排水されなくなってしまうため、割れ・欠け同様に外壁や基礎部分への浸水を早めることになります。

また、長期間放置をしてしまうと口述の雨樋の歪みや変形に繋がる可能性が高くなります。雨樋の清掃を定期的に行うことで、目詰まりを防ぐことができるため、ご自身でメンテナンスをするには一番簡単なものになります。そのため、目詰まりの緊急度は”中”としています。

錆び

緊急度

雨樋本体がガルバリウム鋼板やステンレス鋼などの金属製の場合や、雨樋の連結部、取り付け部に金属が使われている場合に、経年劣化で錆びが発生します。

錆びが進行することで、雨樋本体が割れたり、取り付け部などが錆びで破損すると雨樋の脱落や穴あきに繋がります。錆びはそれら症状の手前の症状ということで、緊急度を”中”にしています。

軒天

軒天は、外壁から屋根の先端までの部分を覆う天井です。目視でも確認がしやすい箇所になります。屋根材と同様な症状が見られがちで剥がれや腐食、ひび割れなどが目視で発見しやすいです。また、湿気を強く受けやすい環境だとカビや苔も発生してきます。

  1. 剥がれ
  2. ヒビ・割れ
  3. シミ・汚れ
  4. カビ・苔の発生

剥がれ

緊急度

軒天の表面の木材や塗装などが剥がれた状態を指します。軒天の剥がれが生じると内部の木材や下地材が露出してしまうため、劣化を早めてしまいます。

軒天の裏の構造にまで腐食などの影響を及ぼしてしまうと、建物本体にダメージが行ってしまいます。そのため、緊急度を”高”に設定しています。

ヒビ・割れ

緊急度

軒天にヒビや割れが起きている場合は、剥がれや破損に繋がる前触れとなります。前述の剥がれに繋がる症状のため、緊急度を”中”にしています。この状態でも、徐々にですが、雨水の侵入も起こります。

幸い、軒天は屋根の下側部分のため、直接雨水が入りこむ可能性は低いですが、軒天の破損が進行している状態ではあるので、早めの補修などを検討しておきましょう。

シミ・汚れ

緊急度中~高

軒天にシミや汚れが見られる場合には注意が必要です。緊急度が高いケースだと、すでに軒天内部に浸水しており、内部から水が漏れだしていることがあります。雨が降った日など軒天から雨水が滴り落ちていないかなどの観察が必要です。

緊急度が”中”の場合は、塗膜の劣化から耐水性が低下して湿気によりシミができているケースです。その場合には塗装など対応が必要になりますので、長期間の放置はせずに早めの補修を検討しましょう。

カビ・苔の発生

緊急度

湿気などが原因で、軒天にカビや苔が発生する場合があります。緊急度は低いですが、長期間放置すると、軒天自体の破損に繋がる危険性があります。

鼻隠し

鼻隠しとは雨樋の裏にある板のことです。そのため、雨樋の劣化の影響を受けやすく、例えば雨樋の詰まりにより、雨水が溢れることで劣化が進んだりします。木材でできていることが多いため、腐食や剥がれといった症状が出やすいです。

  1. 破損・腐食・腐敗
  2. 塗装の剥がれ

破損・腐食・腐敗

緊急度

木製の鼻隠しの場合、経年劣化により木材が腐ってボロボロになってしまった状態です。金属製の鼻隠しであれば、錆びが進行しすぎて穴が開いた状態です。

腐食・腐敗を起こすことで、建物内部へ浸水が進みます。また、雨樋にも影響を及ぼしてしまうため、同時に雨樋の劣化にもつながってしまいます。

被害規模の範囲などから緊急度を”高”に設定しております。

塗装の剥がれ

緊急度低~中

鼻隠しの塗装の剥がれは劣化の初期症状です。塗膜が剥がれることで、鼻隠しの材質にまで影響を及ぼし、腐食や腐敗を引き起こしてしまいます。

劣化の初期症状ということで緊急度を”中”に設定しています。この段階で再塗装などを行うことで、鼻隠しの腐食・腐敗により交換工事を防ぐことができます。

破風板

破風板は、雨樋が付いてない屋根の先端にある板です。屋根内部への雨水の侵入を防ぐ役割があります。塗装の剥がれや木材の腐食などが原因で、雨水が侵入しやすくなり、下地の構造部に影響を及ぼす可能性が出てきます。

  1. 破損
  2. ひび割れ
  3. 塗膜の剥がれ・色褪せ

破損

緊急度

ひび割れや穴あきなどを長期間放置することで、破風板の破損に繋がります。破風板の破損は、そのまま屋根内部への雨水の浸水に影響してきます。これにより屋根内部から腐食を起こして、雨漏りに繋がるわけです。

影響度が非常に大きいため、緊急度を”高”にしています。

ひび割れ

緊急度中~高

破風板の破損に繋がるひとつ前の症状です。破風板にひびが入っている状態で、塗膜のヒビもこれに含みます。

ヒビの深さによって緊急度に差が出ます。緊急度”高”の場合は、破風板の裏側まで深いヒビが入っているケースなどです。破風板は屋根の端部の壁面保護の役割があります。そのため、破風板のヒビが深いと、屋根内部まで雨水が浸透し、雨漏りに繋がってしまいます。

ヒビが浅いだけであれば、緊急度は”中”です。この場合は、再塗装など行うことで劣化の進行を遅らせることができます。

塗膜の剥がれや色褪せ

緊急度

破風板の塗装が剥がれ始めているのは、重度な劣化の初期症状です。塗膜の劣化によって、塗装が剥がれはじめ、破風板の材質そのものが露出してきます。塗膜が剥がれると耐水性は落ちるため、劣化は早まります。

そのため緊急度を”中”に設定しています。早めに塗装などの対応を行うことで、

棟板金

棟板金は屋根の頂点に取り付けられる金属製の板です。屋根の頂点部に設置されているため雨の影響を受けやすく、錆に強い金属で作られているが、経年劣化により錆びなどの症状も現れてきます。また、常に日光にさらされるため、変形や緩みなども劣化症状として現れます。

  1. 板金の浮き
  2. 板金の錆び
  3. 割れや破損

板金の浮き

緊急度

棟板金を固定するための釘が抜けてしまい、それにより板金が浮いてしまっている状態です。この症状がみられると、浮いた板金の隙間から雨水が侵入してきて雨漏りに繋がります。

棟板金の下地には木材が使われているため、棟板金が浮いて雨水が浸透すると、木材の腐食が早まってしまいます。こうなると腐食から始まり、雨漏りを引き起こし、結果として屋根構造全体の劣化に繋がってしまいます。そのため緊急度を”高”に設定しております。

板金の穴あき

緊急度

棟板金は屋根の頂上部に位置するため、雨などによる劣化の影響を最も受けやすいです。錆びが発生してしまうと、腐食が進んで穴が開きます。この症状まで行くと、浮きと同様に、雨水が下地に直接入り込むため、雨漏りなどのトラブルに繋がります。緊急度は浮きと同様の”高”に位置づけされます。

割れ・破損

緊急度中~高

板金に割れや破損が見られると、雨水が侵入しやすくなり、雨漏りに繋がりやすくなります。割れや破損などの被害範囲により、緊急度は中~高となります。

割れや破損の範囲が大きい場合には、下地への影響が大きいため緊急度は”高”になります。小さなヒビや割れ、破損などは緊急度”中”です。この被害範囲の判断には直接屋根の頂上部を見ないと行けなくなるので、業者による点検が必要になってきます。

谷板

谷板は屋根のつなぎ部にある谷部分に設置される金属部品です。谷樋とも呼ばれます。雨水の排水のために設けられているため、錆びや詰まりなどが症状として現れます。谷板も他部材と同様に、下地など内部への腐食の原因となります。

  1. 穴あき
  2. 錆び
  3. 塗装の剥がれ

穴あき

緊急度

谷板が錆び、腐食が進行することで穴あきを起こしている状態です。この状態では雨水が穴から、屋根内部へ侵入し、雨漏りに繋がります。

穴からの浸水は急速に屋根内部を劣化させるため緊急度を”高”に設定しております。

錆び

緊急度

谷板に雨水などが溜まることで劣化が進み、錆びが発生している状態です。劣化が進行することで、前述の穴あきへと繋がります。穴あきの前段階の症状であり、直ちに雨漏りなどの原因に繋がらないため、緊急度を”中”としています。

この段階で、防錆塗装などを行うことで、劣化の進行を抑えることが可能です。

塗装の剥がれ

緊急度

谷板の表面塗装が剥がれてきている状態を指します。塗装が剥がれることで、防錆性能の低下、耐水性の低下につながり、錆を発生させます。

塗装の剥がれでは、何かトラブルに繋がるということはないため、緊急度を”低”に設定しています。

漆喰

漆喰は、主に瓦屋根の頂部で使用されています。瓦と棟のすき間を埋めるために使用され、また、瓦同士を接着させるためにも用いられています。漆喰は20~30年経過すると経年劣化により剥がれ落ちしてしまい、安価の葺き土が露出します。葺き土が露出することで劣化が早まり、屋根の中への雨水の侵入に発展してしまいます。

  1. 剥がれ
  2. ひび割れ
  3. 色褪せ

剥がれ

緊急度

表面の漆喰が崩れ、内部が露出している状態を指します。経年劣化によって引き起こされ、漆喰が崩れると、直接雨水などが屋根頂部の棟木に浸透し、腐食を早めます。

漆喰の剥がれは雨漏りが発生しやすい症状のため、緊急度は”高”になっています。

ひび割れ

緊急度中~高

漆喰の崩れが始まる前症状が、ヒビ割れです。生じたヒビから雨水が屋根内部にまで侵入してきます。屋根内部にまで侵入することで下地材にまで徐々に浸透することで雨漏りを引き起こします。

剥がれに比べて、すぐに雨漏りに繋がる可能性は低いので緊急度を”中~高”にしています。ヒビの範囲が大きかったりや、ヒビを長期放置することで、ヒビからの浸水被害が増したり、剥がれに繋がります。

天窓

天窓は屋根に設置する窓で、トップライトとも呼ばれています。他部材と比べると、特殊なため、現れる症状としてはパッキンの劣化やガラスの割れ、ヒビなどが直接の室内の浸水となり、また、ガラス自体の劣化により断熱性能や雨水の侵入などにもつながりやすいです。

  1. ガラス材の破損
  2. ゴムパッキンの劣化

ガラスの破損

緊急度

天窓のガラスが割れれば、直接雨水が室内に侵入してきます。この場合は直ちに修理をしなければなりません。そのため緊急度は”高”です。

ゴムパッキンの劣化

緊急度中~高

ゴムパッキンはガラスとフレームの接合部にある部品です。ガラスとフレームの隙間を埋めることで、雨水や風の侵入を防いでいます。これが劣化してしまうと雨水や隙間風の原因となってしまいます。

劣化の度合いにもよりますが、パッキンの劣化があまりにひどく、雨漏りしてしまうようであれば、緊急度は”高”で直ちに交換工事が必要になってきます。隙間風が気になり、浸水がないようであれば、緊急度は”中”です。劣化は進んでいるので、早めに対処する必要があります。

屋根劣化の補修方法と費用

このようなトラブルが起きる前に、劣化の補修を行うことで、雨漏りや屋根材の脱落などを未然に防ぐことができます。さらに、早めに対処をしておくことで、屋根の寿命を延ばすこともできるのです。

ここからは各屋根材の補修方法と費用について解説します。費用相場の坪数は一般家庭の平均的な坪数である30坪としているので、総額でいくらくらいかかるのかの参考にしてください。

再塗装

対応する劣化症状錆び、色褪せ、小さなヒビ
料金相場20,000~30,000円/坪
再補修周期10~15年

錆びや色褪せ、塗装の剥がれの症状がある場合に塗装を行っていきます。再塗装を行うことで、屋根材や部材の耐水、耐食、防錆性能が向上します。塗料自体の寿命も10年以上あるため、大幅に屋根の耐用年数を伸ばすことが可能です。

塗料の種類や屋根形状、施工箇所により料金は大きく変わります。耐久性や高寿命な塗料ほど高くなるので、再塗装を行う再には、あと何年その家で暮らすのか?など先々を考えて、塗料を決める必要があります。

コーキングの補修

対応する劣化症状割れ・欠け、浮き・反り
料金相場10,000~20,000円/坪
再補修周期5~10年

コーキングは、屋根材の隙間や割れた部分をシーリング材で埋める補修方法です。瓦やスレート屋根の接合部や割れた部分の修復に用いられます。軽度の雨漏りが発生した場合でもコーキングを行うことで、一時的に雨漏りを抑えることもできるので、応急処置としてもコーキングは用いられます。

費用は使用するシーリング剤や、施工箇所によって変動します。ただ、高品質なシーリング材は高寿命のため、長持ちするのでメンテナンス頻度を減らせることが利点です。

錆取りと防錆処理

対応する劣化症状錆び
料金相場15,000~25,000円/坪
再補修周期5~10年

金属屋根や屋根部材の金属部に対して行う補修方法になります。専用の錆取り剤を使って錆を落とした後、防錆塗料を塗布することで、金属屋根の耐久性と耐食性を向上させ劣化を防ぎます。

防錆処理と錆取りは規模によって費用が変わってきます。広範囲になるほど費用が高くなるので、早いうちに防錆処理を行い、出費を抑えることも可能です。また、防錆処理をあらかじめ屋根全体に行うことで、先々のメンテナンスコストを抑えることもできます。

屋根材の部分交換

対応する劣化症状剥がれ、浮き・反り
料金相場瓦:3,300~9,900円/枚
スレート:6,600~16,500円/枚
アスファルトシングル:5,000~6,500円/枚
再補修周期10~20年

屋根材の脱落や破損に対して、その箇所だけの部分交換を行います。屋根材の部分交換が必要なケースは重大なことがほとんどです。部分交換は全交換よりも手軽に行えるため、早期の対応が可能となっています。

費用相場は屋根材の種類によって変わってきますが、1枚あたり約10,000~15,000円ほどで済みます。ただ、屋根材全体の交換と比べても、部分交換を適宜行っていく方がコストを大幅に抑えることになります。

清掃

料金相場ブラシ洗浄:3,000~6,000円/㎡
高圧洗浄:10,000~30,000円/㎡
再補修周期3~5年ごと

屋根に発生した苔やカビの除去を行います。定期的に清掃を行うことで、屋根表面の塗膜の劣化などを防ぐことができ、美観を長く保てるのが利点です。また、清掃を行うことで、屋根の異常に速く気が付くことができるのもメリットの1つです。

清掃は様々な方法があり、安い物であればブラシ洗浄、高価なものであれば高圧洗浄になります。高圧洗浄の場合だと足場を組む必要があるため、安価なブラシ洗浄と比較しても効果になります。ただ、高圧であれば同時に苔の除去などもできるため、洗浄効果は高いです。

関連記事:屋根修理の費用相場っていくら?最適なタイミングや業者選びを徹底解説!

自分でできる屋根の補修方法

軽い劣化の症状であれば、業者に頼むのももったいないので、自分で補修や修理作業をしたいと考える方も多いと思います。

しかし、屋根の補修は高所作業のため非常に危険です。最悪の場合、高所からの転落により死亡してしまう可能性もあります。

やむを得ず、自分で行う場合には最低限、下記の道具は揃えておくようにしましょう。

  • はしご:約10,000円
  • 滑り止めシューズ:約6,000円
  • ヘルメット:約3,000円
  • 作業用グローブ:約1,000円

合計費用相場:約20,000円

ここではあくまでDIYで可能な範囲の補修方法について解説をしています。

簡単なコーキング処理

コーキングは道具の揃えやすさ、施工の手軽さなどからDIYで行える補修方法になります。

コーキングを行う手順

  1. 古いコーキングの除去
  2. 清掃
  3. 新しいコーキング材の充填
  4. ヘラで均一に整える

はしごを架けただけで、届くくらいの低い位置や、1階の屋根などであれば比較的安全です。しかし、はしごを架ける場合には、下でもう1人に固定してもらって作業を行いましょう。

防水テープによる処理

屋根材の腐食による穴あきや、割れ・欠けなどで穴が開いているケースに有効です。また、隙間を埋めるために、コーキングの代わりに行うことも可能です。

防水テープの作業手順

  1. 貼り付け箇所の清掃
  2. 防水テープの貼り付け
  3. テープの圧着

しかし、防水テープはあまり長持ちしないため、雨漏りしてしまった際の応急処置として使うといいでしょう。雨風などで粘着力がすぐに消えてしまうため、テープで完璧に直すことは難しいです。

DIYで行う、屋根の補修方法には限りがあります。やはり、自分で作業をするとなると、どうしてもリスクの方が大きいです。簡単な補修程度であれば、自分でできてしまうのですが、屋根材の交換などの作業は、業者に頼んだ方が施工も確実です。予算と相談して補修のタイミングを決めていきましょう。

劣化により発生するトラブル

この項目では劣化症状を放置した際に、どういったトラブルに繋がるのかを解説してまいります。劣化症状の中には、すぐに対処しなくても、即トラブルに繋がらないものもありますが、長年放置をしてしまうと必ずトラブルに繋がります。

屋根劣化から繋がる主なトラブルとしては、雨漏りが主流です。屋根劣化=雨漏りというイメージを持っている人がほとんどだと思います。しかし、屋根劣化によるトラブルは雨漏りだけではありません。

雨漏り

雨漏りは、屋根材や屋根部材などが劣化することで引き起こされる代表的なトラブルです。劣化した屋根から雨水が侵入し屋根の下地材であるルーフィング(防水シートまたは下葺き材)や野地板が腐食、劣化を起こします。そうなると、屋根裏から建物内部まで浸水を起こし、雨漏りに繋がります。

関連記事:屋根からの雨漏りの原因と修理方法・対策と応急処置の仕方を解説

屋根材の脱落

屋根材の破損やずれ、ひび割れなどは、強風時などに屋根材が脱落するトラブルに繋がります。割れて破損した屋根材の一部や、ビスなどが緩んで固定が緩んだ屋根材などが、脱落し下にいる人や物に被害を及ぼすリスクがあります。また、屋根材の脱落によって、欠けた屋根から雨漏りが起こるなど、様々な被害を引き起こします。

害虫・害獣の侵入

劣化した屋根材のすき間などから、害虫や害獣が屋根内部に侵入することがあります。害獣や害獣が侵入することで屋根裏に巣を作り、騒音や悪臭といった被害に繋がります。また、害獣などが電気配線をかじることで、電気系統のトラブルを引き起こす可能性もあります。

屋根材ごとの耐用年数と補修目安時期

屋根材には、屋根の寿命である年数が定められており基本的に20~50年と言われています。そのうち、補修目安の年数は10年~15年ほどです。

20年~50年の耐用年数は、定期的な補修がされている前提での話なので、メンテナンスを一切しないで、20年、30年と使い続けるのは、正直難しい話です。必ず経年劣化するものなので、丈夫で高寿命と言われている瓦屋根でもメンテナンスは必要になってきます。

ここからは各屋根材ごとの耐用年数と補修の目安時期を解説していきます。

瓦屋根

瓦屋根は、他の屋根材と比べて高耐久、高寿命なため耐用年数が長いのが特徴です。ですが、定期的なメンテナンスも重要で、それぞれ10~20年ごとでのメンテナンスを必要とします。

瓦屋根の種類耐用年数補修目安
日本瓦約50~100年10~20年ごと
洋瓦約50~70年10~20年ごと
セメント瓦約30~40年10~20年ごと

関連記事:瓦屋根の修理が必要なサイン3つ!方法別の費用相場・安く抑えるコツ

金属屋根

金属屋根は高耐久性、軽量に優れ、加工のしやすさから幅広い住宅に使われています。また、耐食性に優れているため、錆びにくいのが特徴です。

金属屋根の種類耐用年数補修目安
ガルバリウム鋼板約30~40年10~15年ごと
トタン約10~20年5~10年ごと
ステンレス鋼板約50年~20~30年ごと
銅板約50年~20~30年ごと

関連記事:屋根板金や金属屋根の修理の費用相場とは?主な劣化症状&メンテナンス法

スレート屋根

スレートは天然石やセメントで作られた屋根材で、高寿命、高耐久が特徴の屋根材です。風雨や紫外線に強いのがスレート屋根の強みです。他屋根材と比べてメンテナンス頻度も低いです。

スレート屋根の種類耐用年数補修目安
天然スレート約50~100年20~30年ごと
化粧スレート約20~30年10~15年ごと

関連記事:スレート屋根まるわかり!塗装、屋根材、価格、施工方法で選ぶ屋根リフォーム

アスファルトシングル

アスファルトシングルは安価で高耐久であり、柔軟性に優れているためデザイン性が豊富な特徴を持ちます。ただ、高温、低温など極端な環境下では耐久性が著しく下がるため、地域によっては経年劣化が早まる影響があります。

アスファルトシングル屋根の種類耐用年数補修目安
スタンダードシングル約20~30年10~15年ごと
ラミネートシングル約30~50年15~20年ごと

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まとめ

屋根は常に紫外線や直射日光にさらされているため、非常に痛みやすいです。そのため約15年を目安に補修や点検を検討する必要があります。劣化の症状を見極めて、補修の有無や、どのタイミングで補修をするかなどを決め、トラブルになる前に対応しましょう。

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