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「経年劣化した屋根修理には火災保険が使えないの?」という疑問をお持ちの方に、火災保険が適用される条件を詳しくご紹介。
実は屋根材の種類ごとに現れる経年劣化の症状は違います。お宅の屋根の症状と見比べながら、経年劣化に当たるのか判断しましょう。また火災保険が適用できない屋根修理を安くする方法も解説します。
火災保険が適用される・されない屋根修理の条件
まずは火災保険が適用される・されないの基準について見ていきましょう。火災保険は火災や落雷による被害の他に「風災」「雪災」「雹(ひょう)災」といった自然災害にも対応しています。
火災保険が適用されない経年劣化の屋根材別症状
経年劣化による屋根修理では火災保険が使えません。経年劣化というのは月日の経過とともに色褪せや機能の劣化が起こること。
屋根のは家の一番高い場所で絶えず紫外線や雨風にさらされています。台風や強風など自然現象が原因で破損した場合を除き、屋根材にサビやコケ、割れが生じると経年劣化とみなされます。
まずは屋根の種類ごとの経年劣化症状について見ていきましょう。
「コロニアル」をはじめとする化粧スレートは、新築建売住宅で7割近く採用されている屋根材です。主な経年劣化の症状はこちら。
- 塗装の剥がれ
- 色褪せ
- カビや藻の発生
- ひび割れ・欠け
- 反り・浮き
- 棟板金の釘浮き
一昔前までは材料費が安く施工期間が短いことから、亜鉛メッキのトタン屋根が主流でした。ただしトタンは耐用年数が短く経年劣化の症状が出やすい屋根材でもあります。
- 色褪せ
- 塗装の剥がれ
- チョーキング
- サビ・穴あき
- 釘浮き
軽量で耐久性の高いガルバリウム鋼板は、カバー工法などで多く用いられている屋根材です。メンテナンスフリーと言われていますが、酸性雨の多い地域や海沿いのエリアでは以下の症状が現れることがあります。
- 赤サビ
- 白サビ
- 接触腐食
経年劣化を放置すると屋根材に穴が開き、雨水が入り込んで屋根全体が劣化する原因となります。
火災保険が適用される「風災」等の基準
次に火災保険が適用される「風災」「雪災」「雹災」それぞれの基準について詳しく解説していきます。
風災としての判断基準となるのが「最大瞬間風速」です。瞬間最大風速が秒速で20mになるような強風で被害が発生した場合、風災と認定されます。
雪災とは文字通り雪による被害のこと。北海道や東北の日本海側といった積雪の多い地方では、降り積もった雪の重みで屋根や雨どいが破損することがあります。
雹災は雹によって屋根や外壁が被害を受けることを指します。雹というのは5月末から6月にかけて、積乱雲から降ってくる氷の塊のこと。豆粒ほどの小さなサイズからゴルフボール大の大きなものまであります。
大きな雹が空から落ちてくるとその衝撃はすさまじく、カーポートの波板やプラスチック製の雨どいなどは簡単に突き抜けてしまいます。風災による主な被害はこちらです。
- 瓦のズレ
- 棟瓦の倒壊
- 棟板金の脱落
- 屋根材の落下
- 屋根材のめくれや剥がれ
- 屋根表面の凹み
- 雨どいの破損
- バルコニーやカーポート屋根の破損
雨漏り修理は鑑定会社の判断による
雨漏りの修理は自然災害によるものか経年劣化が原因か判断が付かないことがあります。火災保険を申請すると鑑定会社から鑑定人が訪れ、本当に風災による被害なのかを調査します。
風災だと判断される条件は「いつどのようにして発生したか」がはっきりと分かる被害のみ。たとえばこのような状況が該当します。
- 強風により瓦がズレる被害が出た
- 雹が降って天窓が割れた
- 風雨で棟瓦の漆喰が崩れた
- 積雪により雨どいが破損した
- 台風で飛散してきたもので屋根が壊れた
台風が来た後しばらくは症状が出ないため屋根の破損に気が付かず、雨が降ってきて初めて雨漏りが始まったというケースでは、風災によるものか経年劣化が原因か判断が付きません。
実際に申請して火災保険が適用されたこともありますので、雨漏り修理は自費で修理する前に鑑定人に調査を依頼してみては?調査した結果火災保険が適用されない場合でも出張料や調査費はかかりませんのでご安心ください。
経年劣化以外で火災保険が使えないケース
火災保険は経年劣化以外でも適用から外れることがあります。これからご紹介する場合は火災保険が使えませんので注意してください。
- 損害額が20万円以下
- 被害を受けてから3年以上経過
- リフォーム工事による影響
- 施工不良や過失によるもの
たとえ風災が原因だとしても、損害額が20万円以下の場合や被害を受けてから3年以上経過したものに関しては火災保険が適用されません。
関連記事:屋根修理を火災保険で全額カバーしたい人必見!自己負担を減らす3つの方法とは?
経年劣化による屋根修理にはどんな種類が?費用相場も解説
経年劣化が原因の屋根修理にはどんな種類があり、費用はどの位なのでしょうか?
部分補修
屋根材の一部の破損や浮きなどは、軽微であれば部分補修で対応できます。また棟板金や雨どいの補修も可能です。
費用は数万円~30万円ほどで、部材や被害の範囲によって相場が大きく変わってきます。
塗装工事
全体的な色褪せやサビ、コケの発生には塗装工事が必要です。塗装工事は日本瓦以外ほとんどの屋根材に必要なメンテナンスで、使用する塗料の種類やグレードによって防汚や遮熱といった機能をプラスできます。
塗装工事の相場は30坪の住宅で平均50万~80万円ほど。屋根の形状や屋根材によってはこれよりも高額になることがあります。
関連記事:屋根塗装工事の費用相場まとめ!納得がいく工事にする為に抑えるポイント5つ
重ね葺き(カバー工法)
既存の屋根の上に新しい屋根材を被せるリフォーム方法で、アスベストを含んだコロニアル屋根や塗装では対応できない劣化の時に施工します。
費用相場は80万~180万円前後。屋根材の撤去処分費用がかからないため費用は抑えられますが、瓦屋根のようなデコボコした屋根や下地の劣化が激しい屋根には施工できません。
関連記事:カバー工法(重ね葺き)にかかる費用相場は?工事を行うメリットや業者選びを解説
葺き替え
屋根の表面だけでなく防水シートや野地板(のじいた)といった下地にまで劣化症状が現れている場合は、屋根の葺き替えが必要になります。
費用は80万~220万円と屋根リフォームの中で最も高額ですが、雨漏りがひどい場合や築30年以上の住宅におすすめです。
すべての屋根材で施工可能で、今までと違う屋根を乗せることもできます。軽い屋根材を選べば建物の耐震性のアップや、断熱性の向上も期待できます。
関連記事:屋根の葺き替え(張り替え)費用の相場は?施工を安くする方法やメリットを解説
経年劣化による屋根修理費用を安くする方法
経年劣化による屋根修理は残念ながら災保険が使えませんが、それ以外で費用を抑える方法があります。
公的補助金や助成金を活用
市区町村が行っている補助金や国の助成金を利用すると、お得に屋根修理ができます。該当する屋根工事は主に三種類。
- 省エネリフォーム…遮熱・断熱塗料を使用した屋根塗装
- 耐震リフォーム…屋根の重量を軽減する葺き替え工事
- アスベスト除去…アスベストを含んだ屋根材の撤去工事
ただしお住いの自治体によって金額や条件が異なります。詳しくは窓口までお問い合わせください。
関連記事:補助金・助成金を使って屋根修理をお得に!申請の手順や3つの注意点を解説
定期的な点検
経年劣化による屋根修理の費用を抑えるには定期的な点検が効果的。屋根を施工してもらった業者や、屋根材ごとの実績が豊富な業者に依頼して、5年に一度のタイミングで点検をしてもらいましょう。
業者によっては屋根に登っての点検を無料で行っていることもあります。特に台風や強風の後は普段の点検にプラスして見てもらうと良いでしょう。
関連記事:屋根の劣化は主に5段階!適切なメンテナンス方法を徹底解説
軽微な劣化での修理
定期的な点検で見つけた修理箇所は、症状が軽いうちに修理できると費用が抑えられます。サビやひび割れなどの劣化は、範囲が狭いうちは数万円の費用で済みますが、放置したまま症状がひどくなると全体に及ぶ塗装工事や葺き替え工事が必要になることも。
コーキング補修は点検のタイミングで修理できることもあります。修理費用をトータルで安くするには早めの修理がおすすめです。
直接工事の業者に依頼
修理を業者に依頼する場合は、直接工事の業者にお願いすると費用を抑えられます。職人が在籍している業者にお願いすることで、下請けに出す費用がかからないため。
直接工事の業者はその屋根材の扱いに最も慣れているプロです。家の近所の業者ならさらに経費を抑えられ、いざという時にもすぐに対応してくれるでしょう。
経年劣化か迷ったら鑑定人に判断してもらおう!
火災保険が使える屋根修理は自然災害のみで、経年劣化は含まれません。とはいえ雨漏りの原因が経年劣化か自然災害か自分では判断付かない場合もありますので、念のため火災保険を申請すると良いでしょう。
経年劣化の屋根修理は補助金を利用したり直接工事の業者に依頼すると費用を抑えられます。適切な点検で屋根の寿命を延ばすようにすると、結果的に修理費用を安くすることにもつながります。