屋根は数年周期で修理する必要があるため、将来どれくらいの費用が必要になってくるのか計算しておくことが大切です。
ここでは将来的に必要な屋根の修理費用やメンテナンススケジュール、なぜ屋根の修理費用が高くなるのか、修理に利用できる火災保険などをご紹介します。
30年後まで掛かる屋根修理の費用

屋根の修理はたった一回で終わりではなく、数年周期で修理を行っていかなければいけません。屋根の修理は建物の寿命を30年とした時に約140〜380万円の費用が掛かります。屋根修理の費用を考える時は、まず将来的に掛かる費用がいくら把握しておくことが大切です。
将来的に屋根修理に掛かる費用:約140〜380万円
屋根葺き替え・カバー工法の費用相場:約60〜220万円
屋根塗装の費用相場:約40〜80万円
屋根修理の費用相場については下記のページをご覧ください。
30年間までの屋根修理スケジュール

スケジュール | 修理項目 | 修理費用 |
---|---|---|
10年目 | 屋根塗装 | 約40〜80万円 |
20年目 | 屋根塗装 | 約40〜80万円 |
30年目 | 屋根葺き替え | 約60〜220万円 |
※足場代別途:約20〜25万円
最初の10〜20年は屋根材の塗装を行います。30年目になると屋根材の下に敷設されているルーフィングが劣化してくるので、屋根の葺き替え、またはカバー工法を行う必要があります。
屋根材ごとに変わる費用と修理スケジュール

屋根修理のスケジュールは屋根材の種類によって異なります。以下に屋根材種ごとのスケジュールを記します。
化粧スレートの屋根修理スケジュール
スケジュール | 修理項目 | 修理費用 |
10年目 | 点検 屋根塗装 | 無料 約40〜80万円 |
20年目 | 点検 屋根塗装 | 無料 約40〜80万円 |
30年目 | 屋根葺き替え | 約60〜220万円 |
※点検:業者によって有料となる場合があります
化粧スレートの耐用年数は約25〜30年です。ただし、屋根材は色あせやコケが生えるため美観が低下します。10年後は点検をして塗装を行うといいでしょう。
ガルバリウム鋼板の屋根修理スケジュール
スケジュール | 修理項目 | 修理費用 |
10年目 | 点検 シーリング打ち替え | 無料 約900〜1,200円/m |
15〜20年目 | 点検 シーリング打ち替え 屋根塗装 | 無料 約900〜1,200円/m 約40〜80万円 |
25〜30年目 | シーリング打ち替え 屋根葺き替え | 約900〜1,200円/m 約60〜220万円 |
※点検:業者によって有料となる場合があります
ガルバリウム鋼板の耐用年数は約25〜30年です。基本的にメンテナンスフリーとなっているので、必要な修理は他の屋根材と比べて少ないですが、定期的に点検とシーリングの打ち替えは行っておいた方がいいでしょう。
瓦の屋根修理スケジュール
スケジュール | 修理項目 | 修理費用 |
10年目 | 点検 | 無料 |
20年目 | 点検 | 無料 |
30年目 | 屋根葺き替え | 約60〜220万円 |
※点検:業者によって有料となる場合があります
陶器瓦の耐用年数は約60〜100年と屋根材の中で最も長いです。そのため周期的に点検を行い、その都度に瓦のズレや割れなどの部分補修を行う対応になります。また、セメント瓦は塗装が必要ですので、10〜15年周期で塗装を行うのが一般的です。
トタン瓦棒屋根の屋根修理スケジュール
スケジュール | 修理項目 | 修理費用 |
10年目 | 点検 屋根塗装 | 無料 約40〜80万円 |
20年目 | 点検 屋根塗装 | 無料 約40〜80万円 |
30年目 | 点検 屋根葺き替え | 無料 約60〜220万円 |
※点検:業者によって有料となる場合があります
トタン瓦棒屋根の耐用年数は約15〜20年、ガルバリウムを使用している場合、耐用年数はもう少し延びて約25〜30年になります。鋼板の痛みが激しいと塗装してもすぐに剥がれてしまうので、このような状態は葺き替えが必要です。
なぜ屋根修理の費用は高くなる?

屋根修理の費用は他のリフォームと比べると高く感じるかと思います。ここでは、なぜ屋根修理の費用が高くなるのかをお伝えしていきます。
足場の設置が必須
基本的に屋根工事は足場の設置が必須です。屋根修理の他に足場代が約20万円掛かりますので、通常の工事と比べると高く感じるでしょう。
屋根は修理範囲が広くなる
屋根は部分的な修理を行っても屋根全体の耐久性の改善にはなりません。そのため屋根の状態を向上させるには、屋根全体の工事が必要です。屋根の面積数は広いため必然的に工事する範囲も広くなり、工事費用も高くなります。
屋根の葺き替えは工程が多く材料費と人件費が掛かる
- 足場組み立て設置
- 解体
- 野地板張り
- ルーフィング敷設
- 屋根材葺き
- 板金取り付け
- シーリング打ち
- 足場解体撤去
上記のように屋根の葺き替えは工程が多く、人件費も掛かるため工事費用も高めです。また、アスベストを含むスレート屋根は処分費が通常の屋根材よりも2〜3倍高くなることからも、屋根修理が高いと感じる理由でしょう。
雨樋も交換しなければいけないケースがある
葺き替える屋根材によっては雨樋も交換する必要がでてきます。屋根の厚みが変わると高さが変わり、屋根から流れてくる雨を雨樋が受けなくなってしまう不具合が起きます。このような場合は、屋根の葺き替えと一緒に雨樋も交換する必要がでて、工事費用も高くなります。
屋根修理費用の支払い方法

屋根修理の支払い方法は業者によって異なりますが、一般的に現金払いとローン払いに分けられます。現金払いは「一括払い」と「分割払い」があり、最近では「キャッシュレス」に対応している業者もいます。
ローンは「リフォームローン」と「キャッシュカードのローン」などがあり、「リフォームローン」は新築購入の住宅ローンと比べて融資額が低いことから、審査が通りやすく手軽に利用できます。
ただし、住宅ローンと比べると金利は高い傾向にありますが、キャッシュカードローンなどの通常のローンのように10%を超える金利に比べたら、リフォームローンは1〜5%程度と低金利です。
屋根修理費用の支払いの流れ
支払いの流れも業者によって異なりますが、一般的に分割払いは以下のような流れになります。
- 契約金:総額の10%程度、契約時に支払う
- 着工金:総額の30%程度、工事初日に支払う
- 中間金:総額の30%程度、工事半ばに支払う
- 完了金:総額の30%程度または最終残金、工事完了後に支払う
工事金額によりますが、額が小さい場合は契約金と完了金の2段階で支払うケースもあります。契約時に全額支払いを求めてくる業者は後々トラブルになる可能性が高いので避けましょう。
ローン払いの流れ
ローンを利用する場合は審査が必要になります。ローン利用時の支払いの流れは以下になります。
- 仮審査
- 本審査
- 本審査通過後、ローン契約を結ぶ
- 業者と工事請負契約を結ぶ
- 工事着工
- 工事完了後、融資実行
工事完了後、金融機関に報告し、工事代金が金融機関から業者に振り込まれます。ただし、金融機関によっては一旦ローン申込者の口座に振り込まれてから、業者へ支払う場合もあるので、支払いがどのような流れで進むか確認は必要です。
屋根修理費用が0円になる火災保険とは?

自然災害による被害の場合、屋根修理は火災保険が利用できます。
火災保険の補償対象
- 火災
- 風災
- 雹災
- 雪災
上記の自然災害による被害に補償がつき、その他の水濡れや水災などはオプションとなっている場合もあります。
火災保険について詳しくは下記のページをご覧ください。
火災保険の申請方法
火災保険の申請は契約者が行わなければいけません。申請の流れは以下になります。
- 保険会社に問い合わせ、申請書類を請求
- 保険会社による損害状況の確認
- 工事業者に見積もり・損害写真を依頼
- 申請書類と近況報告書の作成
- 提出書類を保険会社に送付
- 審査
- 審査承認後、保険金の確定・入金
- 入金後、工事会社と契約
- 工事着工〜完了
火災保険申請に必要な書類
火災保険申請に必要な書類は以下のものがあります。
- 保険金請求書
- 事故内容報告書・罹災証明書
- 工事見積書
- ※必要に応じて印鑑証明書、建物登記謄本
屋根修理の費用を知るために必要な行動

ここでは屋根修理の費用を知るための行動についてお伝えしていきます。
インターネットやリフォーム関連の書籍で情報収集する
情報収集はインターネットや新築・リフォーム関連の書籍を活用するといいでしょう。書籍はファイナンシャルプランナーやリフォームのプロが書いていますので信用できる情報です。費用だけでなく、屋根修理についても知っておくと、なぜこれくらいの費用が掛かるのか理解しやすくなります。
屋根修理の費用相場を知っておく
費用相場を知らないと屋根修理に掛かる金額が高いのか安いのか判断することができません。費用相場は業者が提示する額と比較する土台となりますので、ちゃんと屋根修理の費用相場を知っておきましょう。
複数の会社に見積もりをとる
適正価格であるか判断するには複数の業者に見積もりをとることが大切です。相見積もりは修理費用の比較以外に、工事内容などを精査することができます。業者間の見積もりの違いや疑問などがありましたら、遠慮せず聞いておきましょう。
屋根修理の費用を抑えたいという方は下記のページをご覧ください。
屋根修理費用の不安を抱えないために予算計画を立てること
屋根修理の費用は一回の工事だけで考えてはいけません。なぜなら屋根は数年周期で修理する必要があるからです。
屋根の修理は足場の設置が必須であることと、施工範囲が広くなりやすい工事のため、金額も通常の工事より高くなります。
これから屋根修理を検討している方は将来的にどれくらいの費用が掛かるか計算し、予算計画を立てましょう。