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屋根修理にはどんな種類の工事があるかご存知ですか?
実は屋根の材質や劣化状況によっても修理の方法が異なります。今回は修理方法ごとの内容や屋根材別の修理費用を解説。
業者別にできる工事についてもご紹介していきます。
屋根を修理するには?工事の種類とその内容
屋根修理には大きく分けて葺き替え・重ね葺き・塗り替え・部分補修の4種類があります。それぞれの工事内容と共に屋根材ごとの注意点について見ていきましょう。
葺き替え工事
葺き替え工事とは既存の屋根を撤去して、下地を張り替えたり補修した後に新しい屋根材を設置する工事です。屋根を撤去したらその下の防水シートや野地板を全て新しくすることがあります。
築30年以上の住宅や屋根材の劣化が激しい場合の修理方法で、一番大掛かりで費用がかかります。特に劣化が激しい屋根材や築年数が30年以上の住宅におすすめ。
屋根材の寿命は20年~40年と幅がありますが、防水シートや下地の木材の寿命は約30年ほどのなので、雨漏りを防ぐためにも葺き替えが必要です。ただし屋根材がそれほど傷んでいないスレート屋根やトタン屋根では重ね葺き(カバー工法)で対応することがあります。
重ね葺き(カバー)工事
既存の屋根の上に新しく下地を作り、新しい屋根材を乗せる修理方法で、カバー工法とも言います。既存の屋根材を撤去処分する費用がかからないので、全体工事としては手間や工事費をおさえられます。
ただ下地の防水シートや野地板が腐食している場合、新しい屋根でフタをすることで劣化が速まる恐れがあります。また屋根材自体の劣化が激しいと重ね葺きで工事が出来ません。さらに瓦屋根のような重量があり凹凸のある屋根では、耐震性がおちるため施工が出来ないのでご注意ください。
重ね葺きに向いているのは、トタン屋根やスレート屋根など。特に2004年以前に建てられたスレート屋根にはアスベストが含まれていることがあります。アスベストを撤去処分するには余分な費用がかかってしまうため、重ね葺きでフタをするという手段が取られます。
塗装工事
和瓦や天然スレートの屋根以外は定期的な塗装工事が必要になります。これは見た目の美しさを保つだけでなく、塗膜の劣化を防いで防水機能を保つために必要です。
高圧洗浄機で汚れを洗い流した後、下塗り塗料を塗った後で顔料の入った塗料を2回重ねて塗ります。塗料には様々種類があり、耐用年数や価格が異なります。さらに断熱やセルフクリーニングといった機能を持つ塗料などもあるので、家の立地や屋根にどんな機能を求めるかで選べます。
サビの激しいトタン屋根は、塗料の付着を良くするためにサビを落とす「ケレン作業」が必要。またスレート屋根に塗装した後は屋根材の縁に付いた塗料をカットする「縁切り」という作業を行います。
次の塗り替えまでの時期は塗料の耐用年数や屋根の劣化状況によって異なってきます。ただし劣化しやすいトタン屋根やスレート屋根は10年に一度の塗装を心掛けましょう。
部分補修
屋根には屋根材の他に、瓦を固定する漆喰や屋根材同士を固定する棟板金、雨水を流すための雨どいがあります。
これらの部材が破損したり劣化した際には部分補修で対応できます。
漆喰工事
漆喰とは白い粘土状のもので、屋根瓦と下地を固定するための接着剤の役割があります。この漆喰は年月とともに剥がれたり崩れることがあるため、補修が必要です。
特に家を建ててから15年以上経った瓦屋根や、台風が多い地域では頻繁に漆喰の剥離やそれが原因による瓦のズレが発生しやすくなります。剥がれた部分をそのままにしておくとそこから雨水が侵入して雨漏りや下地の腐食に繋がりますのでご注意を。
棟板金・棟瓦工事
金属屋根やスレート屋根の一番高い場所にあり、屋根材同士の結合部分にあるのが棟板金です。瓦屋根では棟瓦が同じ役割をしています。
棟板金は寒暖差やサビなどで固定している釘が浮いてきて、風で釘が外れて棟自体が飛ばされてしまうことがあります。また棟板金を止めている貫板という下地の劣化でも同じことが起きますので、釘の打ち直しや棟板金の交換、貫板の補修が必要となります。
棟瓦は土台を作って乗せているだけなので、地震などで崩れた際には古い胸を撤去して新しい棟を再びくみ上げる「棟の取り直し」という修理方法で直します。
雨どい工事
屋根に落ちた雨水が外壁に伝わらないようにする役割が雨どいです。この雨どいは経年劣化で破損したり、落ち葉などのごみが詰まって雨漏りの原因となることがあります。
雨どいの破損を放っておくと雨漏りしやすくなるばかりか、外壁の傷みまで早くなってしまいますのでなるべく早めに交換や修理をしましょう。
雨どい工事はどんな屋根材の屋根でも費用が変わりません。ただし屋根の近くに設置しているため足場設置料が追加でかかることがあります。こちらは雨どいの修理内容別の費用相場です。
雨どい修理内容 | 費用相場 |
一部交換・補修 | 2万~5万円 |
全体的な修理 | 10万~50万円 |
全体的な塗装 | 5万~12万円 |
交換工事 | 15万~60万円 |
屋根材ごとの修理費用を解説
こちらでは屋根材に種類ごとにどんな修理内容があるのか、費用はどの位掛かるのかを解説していきます。
日本瓦/陶器瓦
陶器瓦や粘土瓦は耐用年数が50年~100年程度と長寿命なのですが、下地の漆喰や防水シートが20~30年で寿命となるため定期的なメンテナンスが必要です。
瓦と下地を撤去して屋根を一新する葺き替えの他に、下地を交換したり補修した後に一度取り外した瓦をまた乗せ換える葺き直しという補修方法が瓦屋根では可能です。
また瓦は一枚一枚独立しているので、破損した瓦だけ交換する差し替え工事という補修方法もあります。これはどんな種類の瓦を使うのかによって費用が大きく変わってきます。
費用相場 | |
葺き替え工事 | 120万~220万円 |
葺き直し工事 | 100万~190万円 |
棟の取り直し | 15万~30万円 |
漆喰補修工事 | 15万~30万円 |
瓦差し替え工事(5枚まで) | 1.5万~3万円 |
谷板金交換 | 2万円~ |
セメント瓦
セメントを瓦のように成型した「セメント瓦」や洋風デザインで作った「モニエル瓦」には塗料を塗って仕上げているため、塗装工事が必要です。というのもセメントは水を吸い込みやすいので、塗料でコーティングしていないと雨水を吸い込んでひび割れや破損の原因となってしまいます。
ただしセメント瓦を補強する目的でアスベストが含有されていることもあり、現在セメント瓦は製造されていません。瓦自体が破損してしまうと代替品がないので、他の屋根材へ葺き替えが必要となります。
費用相場 | |
葺き替え工事 | 80万~140万円 |
塗装工事 | 40万~70万円 |
棟の取り直し(5mまで) | 4万円~ |
漆喰補修工事 | 10万~20万円 |
スレート
「コロニアル」や「カラーベスト」が有名な化粧スレートのリフォーム方法は次のようになります。ただし2004年以前に施工された住宅ではスレートにアスベストが含まれていることがあります。
葺き替えとなると高額な処分費用がかかることがありますので、可能であればカバー工法でリフォームすることをおすすめします。
費用相場 | |
葺き替え工事 | 150万~180万円 |
重ね葺き工事 | 80万~120万円 |
塗装工事 | 40万~60万円 |
部分差し替え(1枚当たり) | 2万~4万円 |
棟板金工事 | 15万~30万円 |
ガルバリウム鋼板
アルミニウムと亜鉛でメッキしたガルバリウム合板は、トタンと比べても耐久性や耐候性が高いので、葺き替えや重ね葺きでよく使用されている屋根材です。
とはいえ全くメンテナンスが必要ない訳ではありませんので、適切な時期で塗装工事や棟板金工事が必要となります。特に築15年を過ぎると棟板金を固定している釘の浮きが目立つようになります。棟板金が飛散しないよう、補修工事を行ってください。
費用相場 | |
葺き替え工事 | 160万~200万円 |
重ね葺き工事 | 150万~180万円 |
塗装工事 | 25万~50万円 |
棟板金工事 | 15万~30万円 |
ジンカリウム鋼板
ジンカリウム鋼板はガルバリウム鋼板の表面に石粒を付着させ高温で焼き上げた屋根材で、長期間塗り替えの必要がありません。ただし表面の石粒が剥がれ落ちることがありますので、石を再付着される補修が必要なことがあります。
ジンカリウム鋼板は国産の商品がまだ少なく、海外からの輸入品はやや高額になる傾向があります。また施工できる業者があまりいないため、他の屋根材よりも補修費用がかさむ傾向にあります。
費用相場 | |
葺き替え工事 | 90万~200万円 |
重ね葺き工事 | 70万~100万円 |
棟板金工事 | 15万~30万円 |
アスファルトシングル
アスファルトゴムをシート状に成型したアスファルトシングルは、接着剤と釘で土台に固定されているだけなので、強風ではがれやすい特徴があります。
一部のみなら補修工事で直せますが、広い範囲で剥がれている場合は、新しいアスファルトシングルで重ね葺きするという方法も可能です。
またアスファルトシングルを塗装する際には、基本水性塗料を使用してください。間違って油性塗料を塗ってしまうと、アスファルトの成分が溶け出す危険があります。
費用相場 | |
葺き替え工事 | 80万~150万円 |
重ね葺き工事 | 60万~120万円 |
塗装工事 | 27万~36万円 |
トタン
「瓦棒葺き」とも呼ばれるトタン屋根は、サビやすく耐久性が低いため10年ごとの塗装メンテナンスが欠かせません。サビがひどいトタンにはケレン作業でサビを落とし、サビ止め塗料を塗った上に顔料の入った上塗り塗料を塗り重ねます。
屋根の劣化がそれほど激しくない場合は重ね葺きによる修理が可能。ガルバリウム鋼板といった軽い屋根材を重ねて施工するのが主流ですが、すでに雨漏りが発生しているような場合は葺き替え工事で対応します。
費用相場 | |
葺き替え工事 | 80万~120万円 |
重ね葺き工事 | 75万~110万円 |
塗装工事 | 25万~50万円 |
棟板金工事 | 12万~25万円 |
屋根修理業者の種類とできる工事
屋根が修理ができる業者には様々な種類があります。それぞれの業者の特徴や得意な工事について解説していきます。
ハウスメーカー
家を建ててから10年未満なら、施工したハウスメーカーに屋根修理を依頼することをおすすめします。というのも新築から10年以内には、売主に「瑕疵担保責任」があるため。
これは家の機能を維持する基礎部分や雨漏りを防ぐ部分に欠陥があった場合、売主の責任で改修しなければならないという制度です。10年以内の雨漏りによる屋根補修は全額ハウスメーカーの負担になるのです。
ただし10年を過ぎてしまうとこの制度は適用されず、他の業者に依頼するのと同程度か高い費用がかかる場合があります。
瓦業者
家の屋根が瓦葺き屋根なら、修理や葺き替えは瓦業者に依頼しましょう。瓦は日本瓦以外にセメント瓦やスレート瓦などがあります。またアスファルトシングルや波型スレートは瓦業者でも板金業者でも工事ができることがあります。
「○○瓦店」という名前の業者なら、瓦工事全般を施工できます。瓦屋根の雨漏り修理も自社で行っていますので、不具合が出たらすぐに連絡しましょう。
板金業者
トタン屋根やガルバリウム鋼板屋根の修理は板金業者が専門です。他の屋根材からガルバリウム鋼板屋根へ葺き変える時も板金業者に依頼することになります。
「○○板金」という名前が付いているのが特徴で金属屋根の加工や雨仕舞、雨漏り修理などを専門としています。
塗装業者
屋根の塗り替えは屋根材の種類に関係なく塗装業者に依頼してください。屋根塗装は春や秋といった気温が安定していて、比較的雨の少ない時期に依頼が集中します。その時期に屋根塗装をしてもらおうと思ってもすでに予約でいっぱいなどと言うことがありますので、屋根塗装をお願いする場合は少なくとも1か月以上前から業者に連絡しましょう。
屋根修理専門業者
屋根の補修や雨漏り修理なら屋根修理の専門業者に依頼しましょう。実はハウスメーカーや大手リフォーム会社では屋根修理を請け負っても自社で工事を行わず、このような修理専門業者が実際の工事を行っています。
結果的に余計なマージンが発生して費用が高くなることがあるため、費用をおさえたいなら修理の専門業者に依頼することをおすすめします。