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屋根修理の詐欺被害に遭ったら、クーリングオフ制度を使って契約を無効にできます。またクーリングオフの適用範囲や申請手順について詳しく解説していきます。
騙されたからと落ち込まないでください!クーリングオフで支払った工事代金が戻ってくる場合があります。
屋根修理の詐欺被害でクーリングオフを申請するには?
屋根修理の契約を解除できる「クーリングオフ」というのは一体どんな制度なのでしょうか?クーリングオフが適用される・適用されない条件についても詳しく見ていきます。
クーリングオフ制度とは
「クーリングオフ」は訪問販売や割賦販売で契約した後に、頭を冷やして(Cooling off)消費者に考える時間を与え、決められた期間内であれば契約を解除できる制度のこと。
これは悪質な訪問販売や通信販売から消費者を守るための制度です。
屋根工事や外壁工事は「特定商取引法(旧訪問販売法)」の規制対象となっていますので、8日以内であればクーリングオフができます。
クーリングオフが適用されれば支払った工事代金は全額返金されます。また契約を解除しても損害賠償金や違約金を支払う必要はありません。
すでに工事が始まっている時でもそれまでの工事代金を支払う必要がなく、事業者には原状回復の義務があります。
クーリングオフが適用される条件
ただしクーリングオフが適用されるためにはいくつかの条件があります。
- 契約してから8日以内であること
- 3,000円以上の契約
- 自ら業者の事務所に行って契約を交わしていない
- 個人としての契約
- 日本国内での契約
工事契約書を受領した日から当日を含めて8日以内であればクーリングオフの申請が可能です。また個人として日本国内で交わした工事金額3,000円以上の契約は適用されます。
一方で自分で業者の事務所やお店に行って契約した場合は、業者に無理やり契約させられたとみなされないため適用範囲外となります。ただし業者に無理やり連れていかれた場合はクーリングオフが適用されることがあります。
クーリングオフが適用されない場合
逆に次のような場合はクーリングオフが適用されません。
- 契約してから8日以上経過
- 業者を家に呼んで契約を交わした
- 自ら業者の事務所に行って契約を交わした
- 過去一年間で取引のあった業者との契約
- 現金3,000円未満の契約
- 日本以外の国で契約
例えば自分の意思で契約のために事務所に赴いたり、業者を電話で家に呼び出して契約を交わした場合は、クーリングオフの適用外となります。
過去一年以内に取引のあった業者との契約や3,000円未満の契約も適用の範囲外となりますのでご注意ください。
またインターネットで見つけた工事説明会に自分で申し込んで参加し契約した場合も、業者に無理やり契約させられたとはみなされないためクーリングオフが適用されません。
クーリングオフの申請手順
クーリングオフの申請には必ず守らなければならないことがあります。これらに注意して申請の手順を順番に進めていきましょう。
①適用対象か確認する
初めに業者と契約した時の契約書や工事申込書を手元に準備します。契約内容を確認してクーリングオフについての記載があるかをチェックしてください。
内容が確認でき、契約書を受領した日から当日を含めて8日以内であればクーリングオフの申請が可能です。また契約書の内容に不備がある場合、そもそも契約書が法定書面としてみなされないことから、すぐにクーリングオフができます。
法定書面とは、このような記載事項がある契約書のことを指します。
- 事業者名
- 事業所の住所
- 担当者の氏名
- 商品名・型番
- 商品の種類
- 商品の代金
- 代金の支払い方法
- 代金の支払時期
- 商品の引き渡し時期
- クーリングオフの要件・効果(赤枠赤字で8ポイント以上の活字)
- 契約の申込・締結の年月日
つまり契約書に「この工事はクーリングオフができない」などの誤った記載がある場合、たとえ期限の8日が過ぎていてもーリングオフが適用できることになります。
②「契約解除通知書」を作成
クーリングオフは法律上書面で行うことが定められてます。よって「契約解除通知書」という表題で必要事項を記入したはがきや封書を作成し、業者に送らなければなりません。
書面には次のような内容を必ず記入しましょう。
- 表題:「通知書」「契約解除通知書」など
- 契約日
- 契約した業者の会社名・担当者の氏名
- 工事の名称
- 工事金額
- クレジット払いであれば信販会社の名前
- 契約を解除したいという意思表示「右の契約を解除いたします。」など
- 申出日
- 送り主の住所
- 送り主の名前
はがきで送る場合は、記入後に裏面と表面をコピーしておきましょう。簡易書留か特定郵便ではがきを送ると先方が受け取った日付などが記録されるので、間違いなく送ったという証拠になります。
少し手間はかかりますが郵便局で内容証明郵便を3通作成するという方法もあります。内容証明とは郵便物の差出日付や文書の内容を郵便局が謄本により証明してくれる郵便物のこと。
業者に郵送する際は配達証明を付けると相手方にいつ届いたかが分かり、より確実です。
③8日以内に業者へ送付
訪問販売のクーリングオフ期間は契約書等の法定書面を受領した日から当日を含めて8日以内と決まっています。よって書面を郵送する際の消印が契約から8日以内の日付であれば、業者に届くのが8日以降であっても問題ありません。
内容証明の場合は文書をそれぞれ3通作成します。文字数や詳しい書き方は郵便局で教えてくれます。
④クレジット会社にも通知書を送付
もし工事代金がクレジット払いの場合は信販会社にも同様の書面を送付しなければなりません。同じ文面のはがきを二枚作成し、それぞれコピーを取っておきましょう。
内容証明を送付する際は業者と信販会社宛てにそれぞれ3通、合計6通の書類を準備してください。
⑤工事が始まっている場合はストップする
すでに屋根修理工事が始まっている時はすぐに工事を中止しましょう。工事期間中にクーリングオフが適用されることが分かった場合、それまでの工事費を支払う必要はありません。
業者には現状に戻す義務が発生しますので、業者の費用負担で元に戻ようになります。もし家が傷ついてしまう心配がある場合は、無理に原状回復してもらわなくても大丈夫です。
⑥通知文書が届いたら連絡
通知文書が業者側に届いたタイミングで業者に連絡を入れます。一般書留・簡易書留・配達記録の付いた郵便で送れば、インターネットからも簡単に追跡でき、業者にいつ届いたのか確認できます。
この時「この工事ではクーリングオフできませんよ」などと言い、クーリングオフの妨害をしてくる業者がいますが、すべて無視して構いません。契約を解除したいというあなたの意思を伝えることが大切になります。
クーリングオフ期間が過ぎた場合は?
もし様々な事情で8日というクーリングオフの期限を過ぎてしまった場合はどうしたらいいのでしょうか?
専用窓口や専門機関に相談
クーリングオフができる期間を過ぎてしまった、クーリングオフが適用できるか判断できないという場合は、全国にある消費生活センターや住宅リフォームに関する支援センターにお問い合わせください。
局番なしの188(いやや)にダイヤルすると、お住いの地方自治体の消費生活相談窓口につながります。
また実際に悪徳業者の被害に遭った場合や、クーリングオフの方法なども詳しく相談に乗ってくれます。お問い合わせの電話番号はこちらです。
- 消費生活センター消費者ホットライン・・・電話(局番なし)188
- 住まいるダイヤル(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)・・・電話:0570-016-100
期間を過ぎても適用されるケースがある
たとえ8日以内という期限が過ぎていても、業者に以下のような違反行為があった場合は不当な勧誘とみなされ、期限にかかわらずクーリングオフができます。
- 不実の告知…重要事項について事実と異なる内容を説明した
- 断定的判断の提供…将来における不確実な事項について確実であると告げた
- 不利益事実の不告知…不利益となることを知りながらそれを故意に告げなかった
- 不退去…帰って欲しいと伝えても退去しなかった
- 退去妨害(監禁)…消費者が退去したいと申し出ても退去させなかった
さらに業者にクーリングオフの妨害を受けた場合は、クーリングオフが可能です。
書面を送付後に業者に連絡した際、強い言葉でクーリングオフ妨害を受けるケースがあります。脅されてクーリングオフの手続きが取れなくても、妨害行為自体が違法になりますので、期限が過ぎていても問題ありません。
そもそも工事契約書を受け取っていない場合は、クーリングオフの起算日がまだ到来していないという理由からいつでもクーリングオフが可能です。また契約書に不備がある場合も、法定書面に該当しないとして期限が過ぎていてもクーリングオフが適用されます。
とはいえ早急な解決のためになるべく早めに消費生活センター等に相談することをおすすめします。
たとえクーリングオフが出来なくても「消費者契約法」により契約の解除ができるケースがあります。また業者との話し合いで合意すれば、解約できる場合もあります。
クーリングオフは早めの行動が大切
クーリングオフができるのは契約書を受領してから8日以内。したがって、どうしようと迷っている間にその期限は迫ってきます。無理やり結ばされた屋根修理の契約をクーリングオフで無効にするためには、早めの行動がポイントになります。
ご紹介した手順にのっとって必要事項を記入した書類を送付して、業者に電話で契約解除したいという意思を伝えましょう。少しでも不安なことがあったら消費生活センターをはじめとする相談窓口に問合せすることをおすすめします。
屋根修理の悪徳業者の手口はこちらの記事に詳しく載っています。ぜひ参考にして下さい!