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コロニアル屋根まるわかり!塗装、屋根材、価格、施工方法で選ぶ屋根リフォーム

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「コロニアル屋根ってどんなリフォーム方法があるの?」「コロニアルとスレートってどう違うの?」という疑問をお持ちの方に、こちらの記事ではコロニアル屋根についてくわしくご紹介していきます。

コロニアルと他の屋根材の比較を知っていると屋根を選ぶ際の参考にできます。さらに劣化症状ごとのメンテナンス方法を実践すれば、耐用年数よりも寿命を伸ばすことも可能です。

コロニアルが多くの住宅の屋根に使われているのには『訳』があります。その訳が知れれば、屋根材を選ぶ際の選択肢がさらに増えるのではないでしょうか。

Contents
  1. コロニアル屋根ってどんな屋根?
  2. コロニアル(スレート)屋根と他の屋根材を徹底比較!
  3. コロニアルの特徴を解説!
  4. コロニアルの種類・メーカー・色をご紹介
  5. 施工方法・工期・タイミングは?
  6. コロニアルのメンテナンス方法
  7. 施工事例ごとのリフォーム価格を公開!
  8. コロニアル屋根ってDIYできるの?
  9. アスベストを含んでいるってホント?
  10. 太陽光発電装置を設置できる?
  11. 適切なメンテナンスでコロニアル屋根を長持ちさせよう

コロニアル屋根ってどんな屋根?

こちらではコロニアルという言葉の意味をはじめ、建築・リフォーム業界でいうコロニアルの定義などについて解説していきます。コロニアル屋根の住宅に住んでいる人も、言葉の意味さえ知らなかったという人も一緒に学んでいきましょう。

コロニアルの意味

英語で「コロニアル」という言葉の元々の意味は、「植民地の」や「植民地風の」という意味になります。後で説明しますが「コロニアル風」や「コロニアル様式」といった使い方も同じ意味から来ています。

建築業界やリフォーム業界で「コロニアル」という場合は、屋根材の名称として使われることがほとんどです。というのも、1961年に当時のクボタ松下電工外装株式会社(現:ケイミュー株式会社)が発売した屋根材の商品名が「コロニアル」だったためです。

屋根材としてのコロニアルはスレートの中で特に売り上げがあり、広く普及した商品だったため、スレートの代名詞として職人を中心に使われるようになりました。

コロニアルはスレートの一種

上でも少し触れましたが、屋根材「コロニアル」はスレートの一種です。スレートはセメント8割とパルプ繊維2割を練り混ぜ、薄い板状に成形して圧力をかけて固めて製造しています。

2004年まではパルプ繊維の代わりに石綿(アスベスト)が使用されていましたが、人体に悪影響を与えるということで、現在は使用が禁止されています。

成型したスレート自体に防水性がなく屋根材として適さないため、表面に塗装をすることで耐水性や耐久性を可能にしています。厚みが4~5mmほどと薄いため軽量で、カラーバリエーションやデザインが豊富なため人気の屋根材となっています。

カラーベストとコロニアルは同じもの

人によってはスレート瓦のことを、コロニアルと言ったりカラーベストと言ったりしますが、基本的には同じものと考えていいでしょう。カラーベストというのは、ケイミュー株式会社が発売したノンアスベストタイプのスレートのシリーズ名です。

コロニアルはカラーベストという商品シリーズの中の、一つの商品名ということです。色々な呼び方があり混乱しそうになりますが、スレート瓦という屋根材の種類の中に、カラーベストというシリーズがあり、その中にコロニアルと言う商品があると考えましょう。

コロニアル風・コロニアル様式という言葉も

もともとコロニアルには「植民地の」といった意味があり、インテリアスタイルを表す言葉として「コロニアル風」や「コロニアル様式」と言うことがあります。

アジアがヨーロッパの植民地だった時代に流行したインテリアスタイルで、ヨーロッパの重厚な雰囲気の中にアジアで暮らす実用性をプラスしたものです。日本では長崎にある旧グラバー邸が、コロニアル様式で建築された建物として有名です。

コロニアル(スレート)屋根と他の屋根材を徹底比較!

ではコロニアル屋根とその他の屋根材の違いを様々な角度から見ていきましょう。こちらはコロニアルと主要な4種類の屋根材を比べてみた一覧表です。

屋根材価格
(㎡当たり)
耐用年数メンテナンス耐火性耐震・耐久性
コロニアル(スレート)6,000円~20~30年10年~
アスファルトシングル5,000円~10~20年10年~×
ガルバリウム鋼板7,000円~20~30年15年~
15,000円~50年~不要
※下地材補修あり
×
トタン屋根5,000円~10~20年10年~

コロニアルはアスファルトシングルに次ぐ価格の安さでありながら、ガルバリウム鋼板と同程度の耐久性があるということで、コスパが良い屋根材と言えます。

その他の4種類の屋根材について、メリット・デメリットという側面から特徴を見ていきましょう。

アスファルトシングルの特徴

アスファルトシングルはガラス繊維をベース材として、底にアスファルトを染み込ませて固め、表面に細かい石粒を付着させて作ったシート状の屋根材です。

日本での普及はそれほどありませんが、北米では圧倒的なシェアを誇る屋根材です。柔らかい材質のため施工が簡単で、防水性が高いのが特徴となっています。

アスファルトシングルのメリット
  • 防水性が高く雨漏りしにくい
  • 防音性に優れている
  • 耐震性・耐久性が高い
  • 施工費用が安め
アスファルトシングルのデメリット
  • 施工できる屋根勾配が決まっている
  • 表面の石の剥がれがある
  • 台風や強風ではがれやすい
  • カビやコケが生えやすい

ガルバリウム鋼板の特徴

ガルバリウムはアルミニウムと亜鉛、シリコンで作られた合金で、1970年代にアメリカで開発された屋根材です。日本では「ガルバ」と省略されて呼ばれることも多いです。

金属の中ではサビにくく独特の光沢があり、シンプルな見た目の屋根に仕上がります。ガルバリウム鋼板のメリット・デメリットはこちらです。

ガルバリウム鋼板のメリット
  • 金属の中ではサビにくい
  • 防水性・耐久性に優れている
  • 軽量で耐震性が高い
  • 張替えに時間がかからない
  • ひび割れしにくい
  • 汚れが付きにくい
ガルバリウム鋼板のデメリット
  • リフォーム費用が高め
  • 傷やへこみが付きやすい
  • 塗装メンテナンスが必要

瓦の特徴

瓦は日本で古くからある日本瓦やコンクリートで出来たコンクリート瓦、セメント瓦など材料や製造方法によって種類が多岐にわたります。代表的な日本瓦は粘土を成形し、窯で焼き上げて強度を出しています。

日本家屋の屋根として重厚感がある一方で、地震などに弱いのがデメリットです。

瓦のメリット
  • 種類が豊富
  • 防音性・耐久性が高い
  • 塗装メンテナンスが不要
  • 結露しにくい
  • 葺き直しが可能
瓦のデメリット
  • 重量があり耐震性を確保しなければならない
  • 地震で脱落や割れる恐れがある
  • カバー工法で施工できない

トタン屋根の特徴

トタン屋根は鉄板に亜鉛でメッキ加工したもので、安く手に入るため一昔前の住宅の屋根に多く取り入れられてきました。今では徐々に数が少なくなってきていますが、豪雪地帯の屋根は今でもほとんどがトタンです。

トタンのメリット
  • 工事費の安さ
  • 軽量で耐震性が高い
  • 雨漏りしにくい
  • 雪に強い
トタンのデメリット
  • サビやすい
  • 断熱性・防音性が低い
  • メンテナンスに費用がかかる

コロニアルの特徴を解説!

ではコロニアル(スレート)の特徴をメリットとデメリットに分けて見ていきます。他の屋根材と比較しながら参考にしましょう。

コロニアルのメリット

最近の新築建売住宅ではおよそ3割以上の屋根にコロニアルが採用されています。コロニアルのどこにそんな魅力があるのか、詳しくご紹介します。

価格が安い屋根材

コロニアルは屋根材として価格が安いのが大きなメリットです。本体の価格は瓦やガルバリウム鋼板と比べると半額以下という安さです。材料費もそれほどかからず工場で大量生産できるため、他の屋根材に比べてリフォーム費用を抑えられます。

また施工できる業者が多く、取り扱いがそれほど難しくないのもコロニアルの特徴です。結果として慣れない業者による施工不良が起きにくく、屋根リフォームにかかる工期も短くて済むため、他の屋根材よりも施工費用を抑えられます。

耐震性・耐久性が高い

コロニアルは他の屋根材に比べて軽く、屋根にかかる重量を軽減できることから地震の際などに住宅の耐震性を保てます。地震が起きた際、住宅の上部分が重ければ重いほど揺れは大きくなる一方で、屋根が軽く重心が低い位置にあると揺れは最小限で済みます。

また材料であるパルプ繊維の結合力が屋根材自体の強度を高め、耐久性を保つことになります。コロニアルは耐震性や耐久性が高いという理由から、地震の多い日本でも普及したと言えます。

サビが発生しない

コロニアルはセメントとパルプ繊維で作られているため耐食性が高く、他の金属屋根のようにサビることがありません。よって塩害が発生しやすい海沿いや、多湿の地域でもサビずに耐久性を保てます。

ただしコロニアル屋根の胸部分にある板金は金属製のためサビる可能性がありますので注意が必要です。棟板金のサビを放置しておくと、サビた部分に穴が開いたり、固定している釘が抜けたりして雨水が侵入することがありますので適切なメンテナンスをしましょう。

高い防音性

コロニアルは防音性が高いというメリットがあります。コロニアルを屋根に葺く際、コロニアル同士を重ねて葺くため屋根の厚みが増すのがその理由です。メーカーの試験によると、陶器瓦と同程度の遮音性や防音性があるという結果が得られました。

トタンなどの金属屋根はひどい雨や雹が降った際、「バラバラ」という大きな音が響きますが、コロニアルは大雨が降っても音が出にくいので、室内にいても静かです。

コロニアルのデメリット

ここではコロニアルのデメリットをご紹介します。何事もメリットがあればデメリットもあります。デメリットを良く理解して対策しておくと、悪影響を最小限に抑えられるでしょう。

防水性が下がると雨漏りしやすい

コロニアル屋根表面の塗膜が剥がれたりして、防水性が落ちると雨漏りしやすくなります。特にコロニアルの材質自体には防水性がありません。塗装により防水を保っている状態ですから、定期的にメンテナンスしないと雨漏りの原因となるのです。

防水性が落ちたコロニアルは雨水を吸収するため膨張し、晴れた日に乾燥されて収縮します。これを繰り返すことでコロニアルにヒビが入ったり反りの原因になります。

このヒビや反りを放置すると、次第に屋根材から下葺き材に雨水が染み込み、屋根全体に水が侵入して室内に雨漏りとなって現れてしまいます。

台風・強風で飛散・割れの危険

薄くて軽いコロニアルは台風や強風の影響で瓦が飛んで行ったり、飛来物により割れる恐れがあります。また上に人が乗っただけでも割れてしまうので、修理の際には注意が必要です。

特に台風シーズンの後は複数枚の瓦が飛んでいってしまうことがあります。剥がれた箇所をそのままにしておくと雨水が侵入して雨漏りの原因となりますので、強風や台風の後には必ず屋根に登って、専門業者に破損個所がないか点検してもらいましょう。

カビ・コケが発生することも

コロニアル表面の塗膜が剥がれたまま放置しておくと、防水性の低下によりコケやカビ、藻が発生することがあります。特にコロニアル表面はデコボコしているため、その隙間にカビなどが発生して白く汚らしい見た目になります。

カビやコケが生えると見た目が悪くなるだけでなく、放っておくとカビが室内側まで増殖してくることがあるでしょう。住んでいる人に深刻な健康被害を及ぼしますし、腐食するなど屋根自体にも悪い影響を与えますので、なるべく軽微なうちにメンテナンスすることをおすすめします。

塗装の劣化で色褪せが発生

屋根は紫外線や雨の影響を受けやすいため、表面の塗装の劣化が起きやすく、色褪せが発生する心配があります。これはコロニアルでも同じで、屋根の美観を損ねる原因となります。

このような色褪せはメンテナンスのサインですので、早めに塗装を行うようにしましょう。色褪せを放っておくと、表面に白い粉が浮き出るチョーキング現象が発生します。塗料の下塗り材である樹脂の劣化が始まっているという証拠ですので、チョーキングが現れたら速やかに塗装メンテナンスをしてください。

コロニアルの種類・メーカー・色をご紹介

ケイミュー株式会社では、機能やグレードの異なる何種類かのコロニアルを販売しています。主なコロニアルの種類やカラーバリエーションについてくわしくご紹介します。

コロニアルの主な種類

コロニアルには「コロニアルクアッド」「コロニアルグラッサ」「コロニアル耐熱グラッサ」の3種類があります。それぞれ異なる特徴がありますので、コロニアルを選ぶ際の参考にしましょう。

コロニアルクアッド

コロニアルクアッドはケイミュー株式会社が発売しているコロニアルの普及品として、最も多くの住宅に採用されています。価格が安くカラーバリエーションがあり、横一文字葺きのデザインで、洋風・和風住宅問わず合わせやすいのが魅力です。

コロニアルは無機彩石の二層構造になっており、表面には耐候性が高いアクリルコートを使用しています。これにより経年劣化による表面の退色や変色を防いでいます。

コロニアルグラッサ

コロニアルグラッサはコロニアルクアッドのハイグレード商品として販売されています。表面は木目調に加工され、高級感を演出できます。また屋根の一部の色を変更することも可能で、オリジナリティある屋根を作れるのも魅力です。

表面には無機系塗膜の一種である「グラッサコート」というメーカー独自の塗装技術を施し、塗膜の剥がれや色褪せがしにくくなっています。コロニアルクアッドと比べても長い保証期間が設定されているのは、この塗膜加工に自信があるという現れです。

コロニアル耐熱グラッサ

上記のコロニアルグラッサに耐熱機能を持たせた商品です。もともと紫外線に強いとされるグラッサコートに赤外線を反射させる特殊顔料を配合して仕上げています。

これにより太陽光を効果的に反射して表面の温度上昇を防ぐとともに、室内への熱の伝わりを遮断してくれるという二重の効果が期待できます。メーカーによると冷暖房にかかるエネルギーを全体の3%削減できるとのことです。

コロニアルを製造しているメーカー

コロニアルについて知るには、コロニアルを製造しているメーカーについても詳しくなる必要があります。ここではメーカーの変遷について解説していきます。

クボタコロニアルと呼ばれていた

コロニアルはもともと「クボタコロニアル」という名前で呼ばれていました。というのも製造しているケイミュー株式会社の以前はクボタ松下電工外装株株式会社という社名だったからです。

2003年、株式会社クボタと松下電工(現パナソニック)の住宅外装建材部門が一緒になり、クボタ松下電工外装株式会社が誕生しました。スレート屋根や外壁材である窯業系サイディングの分野でトップシェアを占めるまでに成長しました。

2010年よりケイミュー株式会社へ

2010年10月1日に現在のKMEW(ケイミュー)株式会社へ社名を変更しました。社名は前会社名の英語表記「Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd.」の頭文字を取り、KMEWとしました。

屋根材や外壁サイディング、雨どいなど住宅外装材の製造販売を行うメーカーとして現在に至ります。

コロニアルの色・カラーバリエーション

コロニアルはカラーバリエーションが豊富で、住宅の雰囲気やテイストに合わせて自由に色を選べるのが魅力です。ご紹介した3種類の商品のカラーバリエーションはこのようになっています。

商品名カラーバリエーション
コロニアルクアッド12色展開
コロニアルグラッサ16色展開・シャッフルカラー対応
コロニアル耐熱グラッサ9色展開

中でもコロニアルグラッサは特にカラー展開が豊富で、複数の色を組み合わせてシャッフルカラーが楽しめるのが特徴です。あえて違う色を混ぜることで、屋根に様々な表情を持たせられます。

施工方法・工期・タイミングは?

コロニアルの種類や特徴が分かったところで、実際にリフォームを行う際の施工方法をご紹介していきます。実際の工期の目安やリフォームのタイミングもお教えしますので、参考にしていきましょう。

コロニアルの施工方法は3種類

コロニアルの施工方法は、重ね葺きとも言われるカバー工法、葺き替え、屋根塗装の3種類があります。それぞれの施工の仕方を順に解説します。

カバー工法(重ね葺き)

カバー工法とは古いコロニアル屋根はそのままで、上から新しく下葺き材や屋根材を被せるリフォーム方法です。葺き替えよりも施工費用を安くでき、工期も短縮できるのがメリットです。

コロニアル屋根のカバー工法に使用する屋根材は次のような種類があります。

  • ガルバリウム鋼板
  • ジンカリウム鋼板
  • アスファルトシングル

アスベストを含んだコロニアルの葺き替えは、撤去や処分に高い費用がかかるため、カバー工法がおすすめです。

ただし屋根の下地まで傷んでいる場合やすでに雨漏りが発生している屋根には施工できません。また一度カバー工法で施工した屋根には二度とカバー工法でリフォーム出来ないのでご注意ください。

葺き替え

葺き替えは既存の屋根を全て撤去して下地を補修や交換したのち、新しい屋根材を葺くリフォームです。屋根全体の劣化がひどい場合や、部分的な補修もしくは塗装工事では改善できない時に選ばれます。

葺き替えは下地まで一新できるので屋根の機能や耐久性が向上し、雨漏りがストップできます。一方で屋根リフォームの中では一番費用が高額で、工期が長くなるのがデメリットです。

またアスベストを含んでいるコロニアル屋根を葺き替える時には、資格のある施工業者が決められた手順にのっとって解体や処分を行わなければならず、さらに費用がかかることを覚えておきましょう。

屋根塗装

屋根の劣化や色褪せがそれほどひどくない場合は屋根塗装で対応可能です。コロニアル自体には防水機能がないため、屋根の寿命を伸ばすには早めの屋根塗装が欠かせません。

塗装に使用する塗料によって様々な機能を持たせられ、5年~20年の耐用年数をプラスできます。特にコロニアルの原料であるセメントは熱伝導率が高いため、遮熱性能のある塗料を選ぶと良いでしょう。

コロニアルの屋根塗装では、下地の処理と塗装後の縁切りがポイントです。塗料を塗る前は高圧洗浄で念入りに表面の汚れを取り、板金部分にはケレン作業を行います。塗装後は屋根材同士の隙間が塗料で埋まらないよう、タスペーサー等を使用する縁切りが必須です。

施工にかかる工期

コロニアル屋根のリフォームでは、施工方法によって工期が異なります。主な流れとおおよその工期をご紹介しますので、工事予定の目安にしましょう。

カバー工法(重ね葺き)では次のような流れでリフォームが進みます。トータルでは3日~7日前後の工期となります。

カバー工法(重ね葺き)の施工方法(3日~7日)
  1. 棟板金の撤去
  2. 既存の屋根の上から防水シートを施工
  3. 新しい屋根材を葺く
  4. 棟板金の設置

葺き替えでは既存屋根の撤去や処分に時間がかかるため、カバー工法よりも工期が長く4日~10日ほどとなります。

葺き替えの施工方法(4日~10日)
  1. コロニアル・防水シートの撤去
  2. 野地板の補修および張り替え
  3. 防水シート張り替え
  4. 新しい屋根材を葺く
  5. 棟板金の設置

コロニアル屋根の塗装工事の工期は4日~7日前後です。塗装はコロニアルにはシーラー材を、棟板金には防錆効果のある下塗り材を使用します。

下塗りが乾いたら色のついた塗料で中塗り・上塗りに進みます。通常は2階で住みますが、表面の劣化がひどい場合は3回塗りをすることがあります。

屋根塗装の施工方法(4日~7日)
  1. 高圧洗浄
  2. ケレン作業
  3. 下地処理
  4. 下塗り・中塗り・上塗り
  5. 縁切り

リフォームのタイミング

コロニアル屋根を良い状態に保つには、適切なタイミングでリフォームする必要があります。ここでは施工方法ごとにリフォームに適したタイミングをご紹介します。

リフォーム方法適したタイミング
塗装工事新築から10年前後
以降は年に1回点検して塗膜の状態をチェック
カバー工法(重ね葺き)新築から10~15年
10年後に葺いた屋根の状態をチェック
葺き替え新築から20年前後

上でご紹介したのはノンアスベストのコロニアル屋根についてです。アスベストが含まれているコロニアルは耐久性が非常に高く、よっぽどの悪条件でない限りは30年~40年ほどの耐久性があります。

コロニアルのメンテナンス方法

コロニアル屋根を長持ちさせるためには、屋根症状に応じたメンテナンス方法が重要になります。ここではコロニアルの寿命や主な劣化症状を見ながら、どんなメンテナンスが必要になるのかをご紹介していきます。

コロニアルの耐用年数・寿命

コロニアルの耐用年数は一般的に20年~30年前後です。家を新築して10年ほど経つと塗膜が次第に剥がれて屋根塗装のタイミングになります。そしてそれから10年~20年で屋根材としての寿命を迎えるため、カバー工法や重ね葺きが必要となるのです。

とはいえ無機塗料などを使用することで、屋根の耐用年数をさらに伸ばすことも可能ですし、劣化がひどくならないうちに適切な処置をすることで寿命を先送りできます。

コロニアルの主な劣化症状とメンテナンス方法

屋根は常に紫外線や風雨にさらされているため、様々な劣化症状が現れてきます。コロニアルでも同じで、劣化症状に合ったメンテナンス法を取ることで、耐用年数を伸ばせます。

こちらは主な劣化症状と、それに適したメンテナンス方法です。お宅のコロニアル屋根を確認して、どんなリフォームが必要かチェックしましょう。

主な劣化症状メンテナンス方法
・棟板金の浮き
・棟板金の釘浮き
・コロニアルの滑落
部分補修
・複数個所のヒビ・反り・欠け
・ひどい変色や表面の劣化
・屋根全体に及ぶカビ・コケ
カバー工法(重ね葺き)
・複数個所の脱落
・下葺き材の劣化
・屋根内部の腐食
・雨漏りの発生
葺き替え
・反りや割れ
・塗膜の剥がれ
・変色・色褪せ
・チョーキング
・コケ・藻・カビの発生
塗装工事

メンテナンスフリーの屋根材はない

そもそもメンテナンスが全く必要ない屋根材は存在しません。ノーメンテナンスをうたう高機能の屋根材であってもです。というのも屋根材の下に施工してある防水シートは耐用年数が20年前後なため、定期的に時期が来たら交換する必要があるからです。

屋根に落ちた雨水を室内に侵入させないでいられるのは、この防水シートのおかげです。家全体を守るには防水シートの定期交換が欠かせないため、どんな屋根材であってもメンテナンスが必要になります。

施工事例ごとのリフォーム価格を公開!

コロニアル屋根には劣化症状や時期に応じたメンテナンスが欠かせません。家にかかる予算を計上する上でも、施工方法ごとのリフォーム価格を参考にしましょう。

カバー工法(重ね葺き)

カバー工法でのリフォームでは屋根面積1㎡当たり、10,000円~15,000円が相場です。実際の建物面積や屋根面積に単価をかけて、おおよそのリフォーム費用を計算してみましょう。

建物面積リフォーム価格
40㎡(屋根面積65㎡)65万円~
50㎡(屋根面積78㎡)78万円~
60㎡(屋根面積100㎡)100万円~
75㎡(屋根面積120㎡)120万円~

葺き替え

葺き替えでは、屋根面積1㎡当たり12,000円~20,000円が相場となっています。

アスベストを含んでいるコロニアル屋根の撤去には、ノンアスベストのコロニアルよりも費用が余分にかかり、合計で25万~30万円ほどが上乗せされます。

建物面積リフォーム価格
40㎡(屋根面積65㎡)78万円~
50㎡(屋根面積78㎡)94万円~
60㎡(屋根面積100㎡)120万円~
75㎡(屋根面積120㎡)144万円~

屋根塗装

コロニアル屋根の塗装工事では、1㎡当たり2,400円~3,200円が相場です。

建物面積リフォーム価格
40㎡(屋根面積65㎡)16万円~
50㎡(屋根面積78㎡)19万円~
60㎡(屋根面積100㎡)24万円~
75㎡(屋根面積120㎡)29万円~

ただし塗料のグレードや屋根の形状、建物の立地によって費用が変動する場合があります。

コロニアル屋根ってDIYできるの?

コロニアル屋根をリフォームするには、数十万円の費用が必要になるため、なるべく費用を抑えるにはDIYで修理をしようと考える人がいるでしょう。ここではコロニアル屋根をDIYで修理できるのかについて解説していきます。

DIY出来るのは軽微なメンテナンスのみ

実はコロニアル屋根をDIYでできるのは、軽微なメンテナンスのみです。たとえば次のようなDIY方法があります。

  • 釘が抜けた棟板金に新しい釘を打つ
  • ひび割れ箇所を専用のコーキングで補修
  • 割れた瓦を1枚差し替える

コロニアルは衝撃に弱いため、人が上を歩いただけで割れたりヒビが入ったりしてしまいます。DIYでメンテナンスする際は補修箇所を増やさないように注意が必要です。

塗装や葺き替えは専門業者へ

屋根全体に及ぶ屋根塗装や葺き替えはやはり専門の屋根修理業者に依頼する方が良いでしょう。というのも屋根をメンテナンスする場合、足場の設置が必須になりますし、高所での作業は慣れていない人にとって難しい作業となるためです。

塗装をする際は屋根全体にムラなく塗料を塗る必要がありますし、縁切りといった作業もしなければなりません。一人でDIYでしようとすると膨大な時間がかかってしまい、仕上がりが安定せず施工不良の元になります。

何より高い場所での作業は慣れないと転落の危険がありますので、なるべくなら高所作業に慣れた専門業者に依頼するようにしましょう。

アスベストを含んでいるってホント?

昔のコロニアルには、強度を高める目的で石綿(アスベスト)が使用されていました。アスベストの繊維は非常に細かいため、加工や解体の際に空気中に漂いやすく、万が一吸い込んで肺に入ると肺がんや肺線維症といった重い病気の原因となります。

アスベスト入りの見分け方

自宅の屋根がコロニアルの方は、アスベストが入っているか気になるのではないでしょうか。ここでは屋根材にアスベストが含まれているかを見分ける方法をご紹介します。

  1. 2006年以前に家を建築・屋根をリフォームした
  2. 屋根材がスレート・セメント瓦・コンクリート瓦・アスファルトシングルのいずれか

日本では2004年に重量の1%以上のアスベストが含まれている建材の製造が禁止され、2006年にはアスベストを含むすべての建材の製造および販売んが禁止されました。

よって2006年以降に家を建築した方の屋根にはアスベストが含まれていないことになります。コロニアルでは次の商品にアスベストが含まれている可能性が高いです。

  • 旧クボタ コロニアル(1961年~1986年販売)
  • 旧クボタ アーバニー(1982年~1994年販売)
  • 旧セキスイルーフテック かわらU(1975年~1990年販売)

もし使用している屋根材のメーカー・型番・品番が分かっている方は、国土交通省「石綿(アスベスト)含有建材データベース」で検索すると、アスベストが含まれているかどうかが分かります。

目視でチェックする方法としては、コロニアルの劣化具合で見分けられます。アスベストが入っていないコロニアル屋根は築10年も経過するとひび割れや反りといった劣化症状が見られます。

一方のアスベスト入りコロニアルは、耐久性が高いため20年以上経過しても劣化がほとんど見受けられないのが特徴です。

劣化がひどくない限り飛散しにくい

たとえコロニアルにアスベストが含まれていても、割れやひどい劣化がない場合それほど心配する必要がありません。屋根材にアスベストが使用されているコロニアルは、セメントなどに混ぜ込まれてしっかり固定され飛散しにくくなっているからです。

劣化がひどくない時は定期的に劣化具合をチェックするなどして、経過を観察しても問題ありません。ただ葺き替えなどのリフォームをする際は、解体や処分ができる免許を持った業者に依頼し、飛散しないよう注意しながら作業を進めなければなりません

太陽光発電装置を設置できる?

コロニアル屋根に太陽光発電装置を設置することは基本的に可能です。ただし条件に該当する必要があり、適切な工事をしないと劣化の原因になりますのでご注意ください。

太陽光発電の設置には条件がある

代表的な太陽光発電装置メーカーでは、設置できる屋根に様々な基準や条件を定めています。コロニアルをはじめとするスレート屋根では、次のような条件があります。

  • 野地板に構造用合板を使用している
  • 野地板の合板の厚みは9mm以上
  • 屋根勾配は3寸以上で10寸以下
  • 屋根の働き長さは180mm以下、厚み4.5mm~6.0mm

上記の条件に当てはまるコロニアル屋根に太陽光発電装置が設置できる可能性がありますので、希望の太陽光メーカーの基準に自宅の屋根が該当するかチェックしましょう。

適切な工事をしないと劣化の原因に

太陽光発電装置を設置する前には、あらかじめ屋根の劣化具合に合わせて適切な補修工事が必要となります。たとえば次のような工事が求められます。

  • 塗膜の剥離→屋根塗装
  • 釘の劣化→部分補修
  • 全体に及ぶズレや脱落→カバー工法・葺き替え

いったん太陽光発電装置を設置してしまうと、屋根の塗装やリフォームが難しくなります。そのため適切な補修工事や全体工事が必要となるのです。

特にパネルを設置した部分は塗り替えできなくなります。パネルの影になっている部分は太陽が当たらず、水分が乾きにくくなりコケやカビが発生しやすくなります。

もしコロニアル屋根に太陽光発電装置を設置したいという方は、事前に屋根の状態を専門家にチェックしてもらい、適切なメンテナンスを済ませてからにしましょう。

適切なメンテナンスでコロニアル屋根を長持ちさせよう

コロニアルは価格が安くカラーバリエーションというメリットがある一方で、台風や強風で割れやすいというデメリットがあります。またメンテナンスを怠ると耐水性が落ちたりコケ・カビが発生しやすくなります。

とはいえコロニアルは適切なメンテナンスを定期的に行っていれば、寿命を伸ばせるコストパフォーマンスがよい屋根材です。まずは自宅のコロニアル屋根にどんな劣化症状があるかチェックして、適切なメンテナンス方法やタイミングを選ぶようにしましょう。

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