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トタン屋根まるわかり!塗装、屋根材、価格、施工方法で選ぶ屋根リフォーム

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「トタン屋根って価格が安そうだけど耐久性はどうなの?」「トタン屋根を修理するにはどんな方法がある?」という疑問をお持ちの方に、トタン屋根の特徴や種類、劣化症状別のリフォーム方法などを詳しくご紹介します。

トタン屋根と他の屋根材との比較もありますので、屋根材にどんな種類が知りたい方や葺き替える屋根材を迷っている方は必見です。またトタン屋根のDIYでは注意点がありますので、ポイントをふまえた作業方法で安全に作業を進めましょう!

この記事を監修した人

監修者

アイセンスド株式会社 代表取締役社長 高橋聡太
屋根雨漏りプロ 高橋聡太

「屋根雨漏りプロ」として、関西、関東その他地域に屋根と雨漏り修理に特化したサービスを提供。大阪市内の高等学校を卒業後、自動車整備関連の勤務を経て住宅リフォーム業界に転職。現場での経験を積んだ後に独立。雨漏り修理においては豊富な経験を持ち、雨漏りの散水試験に強みを発揮し、多くの実績を持つ。他社が一辺倒な修理方法に頼る中、徹底した原因追究とお客様のニーズに合わせた最適な修理を提案する。

トタン屋根ってどんな屋根材?

トタンは私たち日本人になじみ深い建材の一つですが、その製造方法や名前の由来、寿命や特徴については知らない方も多いようです。ここではトタン屋根の基本的な知識をご紹介していきます。

亜鉛メッキ鋼板製の屋根材

建築資材として使われているトタンは鋼板に亜鉛でめっき加工したもので、「亜鉛鉄板」や「亜鉛鍍鉄板(あえんとてっぱん)」などと呼ばれることもあります。ただ広く知られているのは「トタン」という呼び方でしょう。

トタンの語源はポルトガル語の亜鉛を表す「tutanaga」や、白い金属を表す「totan」から来ていると言われています。日本では1906年に官営八幡製鉄所で製造されたのが始まりで、住宅の建築ラッシュに伴い徐々に屋根や壁材として使われるようになりました。

トタン屋根の寿命と構造

トタン屋根の寿命は平均で10年~20年前後です。雨の多い地方や塩害が発生しやすい海沿いのエリアではサビやすく、劣化が早く進むため寿命が短くなると考えられます。

屋根材として使用する時は、屋根下地である野地板に心木(しんぎ)を釘で固定し、防水シートを敷いた上にトタンを張っていきます。トタンの形状や張り方によって種類が異なり、得られる効果も変わってきます。

腐食しやすく補修が必要

トタンは鉄に亜鉛をメッキ加工してあるのでメッキが剥がれた状態では水に弱く、長い時間水に接しているとサビてきます。サビた部分はもろくなり穴が開いて腐食が起こります。

腐食を放置すると雨漏りの原因となりますので、劣化症状に応じた補修メンテナンスが必要です。

トタン屋根と他の金属屋根を比較!工法別の種類も

ご存知の通り、トタン屋根は亜鉛でメッキされた鋼板を使用しているため金属屋根の一種です。金属屋根には他にもガルバリウム鋼板やブリキといったいくつかの種類があります。

こちらではトタン屋根とそのほかの金属屋根を比較した場合の特徴の違いや、トタン屋根の施工および加工による種類をご紹介します。トタン屋根はどんな金属屋根か知れるだけでなく、自宅の屋根に合うトタンの種類も分かるようになります。

金属屋根の主流はガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は、屋根材の種類が今ほどなかった時代のトタン屋根に代わり、今や金属屋根の主流となっています。トタン屋根よりも材料代や施工費は高いですが、その分サビにくく耐久性があるのが特徴です。

価格と性能のバランスが良く、金属屋根が持つ軽量というメリットを兼ね備えているので他の屋根材からの葺き替えや重ね葺きに多く使用されています。とはいえ全くサビないという訳ではありませんので、長持ちさせるには他の屋根材と同様、適切なメンテナンスが欠かせません。

安いが耐久性が低いブリキ

トタンもブリキも鉄の表面にメッキ加工を施したものですが、トタンは亜鉛をメッキしているのに対してブリキはスズを使用しています。スズは亜鉛よりも水に弱く、傷が付くとサビやすい性質を持っています。

今では傷が付きやすく水に触れやすい屋根にはトタンが、それほど傷が付く危険が高くないおもちゃや缶詰などにはブリキが使われるという使い分けがされています。

かつては屋根に設置する雨どいにブリキを使用していましたが、耐用年数が10年ほどと短いため、次第にプラスチックや他の材料に変わっています。

トタン屋根の工法・加工による種類

こちらではトタン屋根の葺き方による種類や加工の違いによる種類についてご紹介していきます。トタンは加工のしやすい屋根材です。屋根の傾斜や面積によって選ぶと良いでしょう。

瓦棒葺き

瓦棒(かわらぼう)葺きというのはトタンを縦方向に葺く工法の一種で、「瓦棒屋根」ともいい全国各地の屋根で見られる葺き方です。勾配がない屋根や複雑な形状の屋根にも葺きやすく、雨仕舞もいいのがメリットです。

瓦棒葺きで屋根を葺く際には野地板の上に50㎝ほどの間隔で心木(しんぎ)を設置してトタンを固定します。この心木の形に合わせてトタンに出っ張りがあるのが瓦棒葺きの特徴になります。

立平葺き

立平葺きはトタンの施工方法にある横葺きの一種で、トタン同士の重なり部分が薄く見た目がシンプルに仕上がります。あらかじめ工場などで加工されたトタンを使用するため、現場では加工する必要がなく、短時間で施工が終わります。

また設置の際に桟を使用しないので防水性が高いのもメリットです。ただし複雑な形の屋根、寄棟屋根や切妻屋根といった複合屋根に向いていないので、立平葺きで施工する際は屋根の形にも注意が必要です。

折板

折板とはトタンを機械で折り曲げて台形状に加工したものを指します。強度が高く広い面積の屋根に適していることから工場や商業施設、体育館といった大規模施設の屋根に使用されています。

野地板を設置しなくても張りの上から直接施工できるので施工費用が抑えられます。また勾配がない屋根にも使えるのもメリットです。

波板

波板とはトタンを波状に加工した建材です。ホームセンターなどでも手軽に手に入り、波の大きさやピッチが選べます。住宅の屋根材というよりはベランダや物置、カーポートの屋根に使用されることが多いでしょう。

設置する際はフックボルトや専用のトタン釘などを使用し、2~3山ずつ重ねて固定していきます。小売りされていて加工や設置も簡単なので、DIYで使ったことがあるという方も多いのではないでしょうか。

トタン屋根と他の屋根材を徹底比較!

屋根材にはトタン屋根の他にも様々な種類があります。それぞれに価格や耐用年数、耐久性などが異なりますので、屋根材にどんな機能を求めるかで選ぶと良いでしょう。

こちらは屋根材ごとに比較した一覧です。屋根材選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

屋根材価格(/㎡)耐用年数メンテナンス耐火性耐震性・耐久性
トタン屋根5,000円~10~20年10年~
アスファルトシングル5,000円~10~30年10年ごと×
スレート6,000円~20~30年10年~
ガルバリウム鋼板7,000円~20~30年15年~
15,000円~50年~不要
※下地材補修あり
×

スレート

スレートには粘板岩を加工した天然スレートと、セメントにパルプ繊維を混ぜて成型した化粧スレートの二種類があります。化粧スレートは価格が安く軽量で、施工しやすいということから多くの建売住宅の屋根材となっています。

ただ薄いことからひび割れしやすく、強風で吹き飛ばされたり湿気によりカビが生えるなどのデメリットがあります。また塗膜が劣化すると防水性が落ちるので、定期的なメンテナンスが必要です。

ガルバリウム鋼板

がガルバリウム鋼板は鋼板にアルミニウムと亜鉛、ケイ素の合金をメッキした屋根材です。1970年代にアメリカで開発され、日本では昭和50年代後半から製造されるようになりました。

耐食性や耐久性が高く軽量で価格と性能のバランスが良いことから、人気の屋根材です。金属屋根の弱点出会った断熱性の悪さを解消すべく、製造時に遮熱塗料が塗られているものもあります。

瓦には原料や釉薬の有無、製造方法や形によって多くの種類があり、それぞれに違った趣の屋根にすることができます。日本で古くから使われている陶器瓦は寿命が50年~100年と長く、屋根材としては唯一葺き直しリフォームができます。

ただ屋根に葺いたときの重量は坪当たり160㎏前後と重く、耐震性を確保するためには家の柱や梁の補強を行う必要があります。また重量があることからカバー工法でリフォームできないのもデメリットです。

アスファルトシングル

アスファルトシングルはガラス繊維でできた基材(ベース)にアスファルトを染み込ませて表面に微小の石粒を付着させた屋根材です。石粒の色によって屋根の色を変えられ、柔らかいシート状をしているのでどんな形の屋根にも施工できます。

防水性が高く雨漏りしにくく、軽量なので地震にも強いのがメリットです。ただ日本ではあまり普及していないので施工できる業者が少なかったり、施工できる屋根の勾配が決まっているなどのデメリットがあります。

トタン屋根の特徴とは?

こちらではトタン屋根の特徴をメリットとデメリットに分けてご紹介していきます。上で解説した他の屋根材の特徴とあわせて読むことで、屋根材選びの参考になるでしょう。

トタン屋根のメリット

まずはトタン屋根のメリットからです。トタン屋根には以下のような良い点があります。

価格が安い屋根材

トタンは今使用されている金属屋根の中では最も安い屋根材です。材料費は1㎡当たり4,500円前後となっています。また専用の道具さえあれば加工が簡単にでき、勾配がない屋根にも施工できるメリットもあります。

さらに屋根への施工が簡単で短時間で工事が終えられるのもリフォーム価格が安い理由となっています。

防水性が高く雨漏りしにくい

トタン屋根をはじめとする金属屋根は、継ぎ目の数が他の屋根材よりも少ないため雨漏りしにくいという特徴があります。また軽くて表面がツルツルしているということで積もった雪が滑り落ちやすく、積雪の多い地方では主流の屋根材です。

通常では傾斜が緩い屋根では雨水が排水されず屋根下地にしみこんで雨漏りするという現象が起こりますが、トタン屋根ではそういったことが起こらないため勾配の無い屋根でも施工が可能です。

カビ・コケが発生しにくい

金属製のトタン屋根ではカビやコケが発生しにくいのがメリットです。屋根表面に付いたカビやコケの胞子も雨で流れやすいため、そもそも胞子が根付くことがありません。

ただし屋根の近くに植木や鉢植えがあったり、屋根に土やホコリが溜まっている場合はまれにカビやコケが発生することがあります。これらは表面の劣化を早める原因となりますので、発見したら高圧洗浄をかけるなどのメンテナンスをしましょう。

軽量で耐震性が高い

トタン屋根は軽くて耐震性が高いのが特徴です。重さでいうと比較的軽いと言われているスレートの約四分の一、陶器瓦の十分の一程度しかありません。

建物の構造上、屋根が軽ければ軽いほど重心が下がり、地震が発生しても揺れが少なく建物に負担がかかりません。また地震の揺れで屋根材が落下する心配もほとんどありませんので、屋根のそばを通っても安心です。

トタン屋根のデメリット

トタン屋根にはたくさんのメリットがある一方でデメリットもあります。ただし適切な対策やメンテナンスをすることでデメリットを解消することができます。

サビやすく耐久性が低い

トタンはガルバリウム鋼板などと比べるとサビやすく耐久性がそれほど高くありません。サビたまま長時間放置しているとトタンに穴が開いて下地や防水シートに水が染み込み、雨漏りの原因となります。

サビが発生する原因は表面に塗装された塗膜の劣化や剥がれです。紫外線や風雨にされされて塗膜が劣化するとメッキが剥がれて鋼板(鉄)が露わになります。鉄は酸化してサビてしまうため、適切な対策が必要となります。

トタン屋根は7年~10年で塗料の耐用年数が到来するため、サビを防ぐには10年ごとに塗装を行うのおすすめです。ただし家の立地や雨の多さ、気候などによって劣化が早まる場合があります。

塗膜の劣化で色あせが発生

経年劣化により塗膜が色あせて屋根の見た目が悪くなることがあります。色あせを放置するとサビの原因となりますので、サビが発生する前に塗装メンテナンスを行うと良いでしょう。

防音性が低く雨音が響く

トタン屋根は防音性が低く、強い雨が屋根に落ちると大きな音が室内響くことがあります。大きな音に敏感な人や、静かな場所でないとよく眠れないという人は避けた方がいい屋根材です。

トタン屋根の防音性・遮音性を上げるには専用の遮音シートを施工するという方法があります。遮音シートの施工を行っている屋根修理業者もいるので、トタン屋根の防音性を高めるリフォームをしたいという方は相談してみてはいかがでしょうか。

台風・強風で屋根が飛ばされる

テレビの台風中継でトタン屋根がめくれ上がったり、吹き飛んでいる映像を見たことがある方も多いと思いますが、トタン屋根は台風や強風でつなぎ目から剥がれやすく、一枚一枚が大きいため一旦風にあおられると吹き飛ばされる確率が高くなります。

またトタンを固定している下地や桟が腐食しているとさらに飛ばされやすくなるので注意が必要です。台風や強風があった次の日には屋根に登らなくてもいいので、家の外からトタン屋根に異常がないかチェックしましょう。

もし一部がめくれているなどの異常が発見できたら、なるべく早めに業者に修理してもらうと二次被害を防げます。

トタン屋根のメーカー・色展開をご紹介!

トタン屋根は今ではあまり屋根材として見ることは少なくなりましたが、北海道や東北の豪雪地帯では未だメジャーな屋根材です。こちらではトタンを製造販売しているメーカやその商品をご紹介していきます。

【大阪鉄板】カラートタン

こちらのメーカーでは昭和29年の創業からトタンの波板製品を中心に、ガルバリウム鋼板などの金属建材を取り扱っています。主な使用用途は小屋や工場、作業場や倉庫の屋根および壁面の建材として、仮囲いや補修材としても使われています。

波板の種類は小波で、板厚は0.9mmと0.25mmの二種類から選べます。長さも6尺から10尺まで展開しており、用途によって選択できます。

【三星商事】カラートタン波板

三つ星商事は建材メーカーとしてトタンの他にも建築用鋼材やネジ、亜鉛鉄板や鉄線といった金属製品を中心に販売しています。全国各地に営業所を持つトタンの大手の一つです。

こちらのカラートタン波板は、オーソドックスな形でありながら様々な用途に使用できます。形状は大浪・小浪・ストレート小浪の三種類、形状によって板厚を0.35~0.6mmの範囲で変えています。

【東鋼業】三ツ矢カラー丸板

東鋼業の三ツ矢ブランドは、毛利元就の三本の矢に由来しています。創業から建材や農業部品を中心に製造しており、日本だけでなく東南アジア各国で技術指導をするなど、国際貢献にも力を入れています。

こちらのカラートタンは丸板・角板・リブ板といった形違いから選べます。

トタンの色・カラーバリエーション

上でご紹介したメーカーの主要商品のカラーバリエーションをご紹介していきます。トタン屋根の色を選ぶ際の参考にしましょう。

【メーカー】商品名色・カラーバリエーション
【大阪鉄板】カラートタン(小波)グレー・ブルー・新茶・ベージュ・クリームの5色
【三星商事】カラートタン波板ブルー・グレー・新茶の3色
【東鋼業】三ツ矢カラー丸板ブルー・うぐいす・ベージュなど9色

リフォームの施工方法・工期・タイミング

トタン屋根のリフォーム方法や工期、リフォームのタイミングをご紹介していきます。トタン屋根のリフォームでは、金属屋根の修理を得意としている専門業者や板金業者に依頼すると安心して任せられるでしょう。

施工方法は3種類

トタン屋根のリフォーム方法はカバー工法(重ね葺き)・葺き替え・屋根塗装の三種類です。それぞれの詳しい施工方法や注意点などを解説していきます。

カバー工法(重ね葺き)

カバー工法(重ね葺き)は、既存の屋根はそのままに、上から新しい屋根材を葺くというリフォーム方法です。トタンの劣化が軽い場合や、下地が痛んでいない場合にできます。

ただしカバー工法には次のようなデメリットがあります。

  • 下地の傷み具合をチェックできない
  • 屋根の重量が重くなり耐震性が下がる
  • 使える屋根材に制限がある

一度カバー工法でリフォームした屋根には再び同じ方法でリフォームできません。この先どの位の期間家に住む予定なのか考えて、もし長く住むつもりなら思い切って葺き替えを選択した方が、トータルのコストを抑えられる場合もあります。

葺き替え

トタンに塗装や部分補修で修理しきれない劣化がある場合や、野地板や防水シートといった屋根下地に劣化が見られる場合は、思い切って葺き替えリフォームを選択しましょう。

既存の屋根と下地を全て撤去して新しいものへ葺き直す葺き替えでは、下地までしっかりとチェック出来るので、今まで悩まされてきた雨漏りもストップできます。

さらに軽量で性能の高い屋根材へ交換できるので、住宅の耐震性・耐久性・耐熱性・防音性をアップできます。費用は三種類のリフォームの中で一番高額になりますが、住宅を長持ちさせるのには最良の方法です。

屋根塗装

トタンはガルバリウム鋼板と比べるとサビやすく劣化しやすい金属のため、定期的な屋根塗装が欠かせません。トタン屋根を塗装する際は、高圧洗浄で表面の汚れを落とし、あらかじめ「ケレン作業」によってサビを落とします。

ケレン作業を怠ると塗料が密着しないばかりか、すぐにサビてしまう原因になります。業者に屋根塗装を依頼する際は必ず塗装前の高圧洗浄やケレン作業を行ってくれるか、キチンと確認しておきましょう。

施工方法ごとの工期

では上で説明した3種類のリフォーム方法ごとに、手順やかかる日数をご紹介していきます。カバー工法は主に次のような手順・工期となります。

カバー工法(5日~10日)
  1. 芯木・軒先に防水テープや補助垂木を設置
  2. 新しい屋根材を設置
  3. 棟・軒先・ケラバ板金の加工

葺き替えでは既存の屋根材を撤去して下地を補修する手間がかるため、カバー工法よりも工期は長めになります。

葺き替え(7日~14日)
  1. 既存屋根材の撤去および処分
  2. 下地の補修・交換
  3. 防水シート敷設
  4. 新しい屋根材を設置
  5. 棟板金や軒先などを設置

屋根塗装では高圧洗浄後と下塗り・中塗り・上塗り後に表面をしっかりと乾燥させるのがポイントになります。

屋根塗装(5日~7日)
  1. 表面の汚れやサビ、古い塗料をケレン作業で落とす
  2. 高圧洗浄をかける
  3. 養生・清掃
  4. サビ止め塗料を塗る
  5. 中塗り・上塗りを行う
  6. 養生撤去・手直し

リフォームのタイミング

トタン屋根のリフォームのタイミングは、新築から7~10年をめどに初回の屋根塗装を行い、2回目以降は5~10年ごとに塗り替えが必要になります。トタンの寿命は20年前後のため、寿命が近くなったらそろそろ葺き替えのタイミングだと考えましょう。

2回目以降の塗り替えでは、使用する塗料の種類や耐用年数によって次回のメンテナンスまでの期間を伸ばすことが可能です。建物の立地や気候条件によってメンテナンス頻度は変わりますので、詳しくは現地調査を行った屋根修理業者にお尋ねください。

トタン屋根のメンテナンスについて

トタン屋根には耐用年数や劣化症状に合わせたメンテナンスが必要です。屋根の寿命を伸ばすためにもトタン屋根のメンテナンスについてきちんと理解しておきましょう。

寿命や耐用年数

トタン屋根の寿命は10年~20年前後です。屋根材の中では寿命が短く、環境や天候によっては耐用年数がより短くなる恐れがあります。

とはいえ10年ごとに屋根塗装を行ったり、強風の後で屋根を点検し必要な補修工事をすることで寿命を伸ばすことが可能です。雨漏りがない快適な住環境を維持するためには、劣化症状に応じたメンテナンスを行いましょう。

劣化症状別のメンテナンス法

トタン屋根は劣化しやすい屋根材のため、症状に応じたメンテナンスが必要です。こちらはトタン屋根で見られる主な劣化症状とメンテナンス方法になります。

劣化症状メンテナンス方法
・下地に影響していないサビや穴あき
・複数個所の塗装の剥がれ
カバー工法(重ね葺き)
・複数の穴あき
・重度のサビ・劣化
・雨漏れ
・下地の劣化
・反りや脱落
葺き替え
・色褪せ・変色
・塗装の剥がれ・膨張
・軽度のサビ
・白い粉が表面に発生(チョーキング)
屋根塗装

剥がれや穴が1~2か所と限定的な場合は、部分補修で対応できる可能性があります。まずは現状を屋根に登って修理専門業者にチェックしてもらい、まだメンテナンスしなくても大丈夫なのか、すぐにリフォームが必要なのか判断してもらいましょう。

そもそもメンテナンスフリーの屋根材はない

いくら耐用年数が長い屋根材でもメンテナンスが全く必要ない屋根はありません。というのも屋根材の下に敷いている防水シートの寿命が20年前後だからです。雨漏りしない状態をキープするには少なくとも20年に一度、防水シートを新しいものへ交換する必要があります。

屋根材の宣伝文句で「メンテナンスフリー」という言葉を聞くことがあるでしょうが、あくまで他の屋根材と比べて耐久性が高くメンテナンスまでの期間が長いという意味で使われていることがほとんどです。

屋根を葺いてからずっとリフォームが必要ないという意味ではありませんので誤解しないように気を付けましょう。

施工事例ごとのリフォーム価格

トタン屋根のリフォーム方法には、カバー工法・葺き替え・屋根塗装の三種類があります。それぞれの施工費用について建物面積や屋根面積ごとにご紹介しますので、ご自宅のリフォームを考える際の参考にしましょう。

カバー工法(重ね葺き)

カバー工法(重ね葺き)は、葺き替えと比べると約1割程施工費用が安くなります。こちらはガルバリウム鋼板で重ね葺きした際の費用相場です。㎡当たりの単価は5,000円~8,000円が相場となっています。

建物面積リフォーム価格
40㎡(屋根面積65㎡)33万円~
50㎡(屋根面積78㎡)39万円~
60㎡(屋根面積100㎡)50万円~
75㎡(屋根面積120㎡)60万円~

カバー工法は費用はもちろん工期も抑えられるので、短工期かつ安く抑えたいという方にピッタリです。

葺き替え

トタン屋根を新しい屋根材に葺き替える際の単価は㎡当たり6,500円~8,000円前後です。既存の屋根材を撤去したり処分費用がかかり、下地の補修や交換が発生するため、カバー工法よりも高めになります。

建物面積リフォーム価格
40㎡(屋根面積65㎡)42.2万円~
50㎡(屋根面積78㎡)50.7万円~
60㎡(屋根面積100㎡)65万円~
75㎡(屋根面積120㎡)78万円~

屋根塗装

屋根塗装でのリフォーム費用は、屋根面積や使用する塗料の種類によって大きく左右されます。こちらはトタン屋根の塗装で使用される主な塗料と耐用年数、㎡当たりの単価一覧です。

塗料の種類費用相場(㎡当たり)耐用年数
アクリル塗料1,200円~1,500円5~7年
ウレタン塗料1,600円~2,200円8~10年
シリコン塗料2,500円~2,800円10~15年
フッ素塗料4,000円~5,000円15~20年
ラジカル制御型塗料2,800円~3,000円12~15年
無機塗料4,500円~5,500円18年~25年

トタン屋根の塗装で人気なのはウレタン・シリコン・フッ素塗料です。次のメンテナンス時期まで長さで考えるなら、より耐用年数の長い塗料を選びましょう。

塗料はリフォームにかけられる予算や次のメンテナンス時期、後どの位その家に住むのかによって選んでください。こちらは費用と耐用年数のバランスがいいシリコン塗料で塗装した際の費用相場です。

建物面積リフォーム価格
(シリコン塗料)
40㎡(屋根面積65㎡)28.6万円~
50㎡(屋根面積78㎡)34.3万円~
60㎡(屋根面積100㎡)44万円~
75㎡(屋根面積120㎡)52.8万円~

トタン屋根DIYでかかる費用の相場

屋根修理を業者に頼むとお金がかかるからと、DIYで修理をしようと考える方もいるでしょう。もし修理をするのであれば犬小屋や物置、ベランダ屋根といった範囲が狭く万が一失敗しても被害の少ない屋根にとどめましょう。

雨漏り修理

もし物置やベランダ屋根が雨漏りしたら、様々な方法で修理をすることが可能です。こちらは主な雨漏り修理方法と、それにかかる費用の相場です。

修理方法費用相場
防水テープ(アルミテープ)で穴をふさぐ1,000円~
ブルーシートで屋根を覆う500円~
コーキング材(目地材)で埋める300円~3,000円

いずれの材料もホームセンターなどで手軽に手に入ります。防水テープやコーキング材を使用する際は必ず周辺の汚れやサビを落としてから作業しましょう。もし雨漏りしている原因が分からないという場合は、屋根をブルーシートで覆うのも一つの方法です。

防音性のアップ

犬小屋やカーポートのトタン屋根に落ちる雨音がうるさく感じられる場合は、防音性を高める「制振シート」を屋根に貼りつけるという方法があります。制振シートでは「サウンドプルーフ」という商品が有名で、㎡当たりの単価は3,700円ほどです。

粘着剤付きなので屋根に直接貼り付けられ、柔軟性があるので貼りつけた後に折り曲げることもできます。素材はPET不織布やガラス繊維のため、加工や施工が簡単です。

めくれ補修

トタン屋根の一部にめくれや剥がれがある場合の修理には5,000円前後の費用がかかります。必要な道具や材料は以下の通りです。

  • 屋根と同じ種類のトタン
  • 防水シート
  • トタンカッター
  • フックボルト
  • メジャー
  • 電動ドリル
  • 脚立
  • 金槌

トタン屋根のめくれを修理する際は使用するトタンの種類や防水シートの選び方といったトタンに関する知識が必要になります。知識がなく自分で修理するのが不安だという方は、無理せず屋根修理業者に依頼しましょう。

屋根塗装

トタン屋根をDIYで塗装する場合の費用相場は1坪当たり2,500円~3,000円前後です。住宅の屋根を塗装する場合は、足場設置費用などが余分にかかります。

しかし屋根に登っての修理は慣れない人がすると事故の元です。また間違った修理をしてしまうと、屋根の劣化をさらに早めたり破損が原因の雨漏りを引き起こしてしまう恐れがあります。

大規模な屋根修理は無理にDIYで作業しようとせず、屋根修理に慣れた業者に依頼することをおすすめします。

張替え

住宅屋根の張り替えは素人では難しいですが、物置やベランダ屋根の張り替えであればDIYでも可能です。使用するのはホームセンターで手に入るトタン波板です。屋根の大きさに合わせて6尺(1.8m)~10尺(3m)のサイズから選びましょう。

使用する材料は次の通りです。材料代は全部で6,000円~で手に入ります。

  • トタン波板
  • 波板取付用フック

使用する道具は以下の通りです。

  • 鉄板用ハサミ
  • 波板はさみ
  • 金属歯のサンダー
  • 脚立
  • 電動ドリル

波板屋根を張り替える際は風がない日に2人以上で、くれぐれも安全に配慮しながら行いましょう。

トタン屋根を長持ちさせるにはメンテナンスが重要

トタン屋根は他の屋根材と比べると安価で緩勾配でも施工できると言うメリットがある一方で、サビやすく耐用年数は10~20年前後とそれほど長くありません。トタン屋根にサビや穴あき、雨漏りが発生した時は、適切なリフォーム方法を選択して修理を行いましょう。

また強風や台風の後は業者に依頼して屋根の点検をしてもらうのがおすすめです。安全で快適に過ごせる家を保つには屋根の健康が欠かせません。適切なメンテナンスをしながら屋根の寿命を伸ばすようにしましょう。

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